巣の入口に集結して、何やら相談中のニホンミツバチたち。言葉はなくても、ダンスや触れ合いやそれに基づく現場探索の積み重ねによって、短時間で最良の意思決定に辿り着く。人間はどこで間違ってしまったのだろう。
伝習座の冒頭にどの映像をどのように流すか。鈴木康代[守]学匠に課された知られざるお題のひとつである。トップムービーは、用法3から卒門へ向かうターゲットであり、期のモードを方向づけるキーツールとなる。
佐々木局長や吉村林頭と対話を重ねて選んだのは、2018年12月の伝習座の校長講義。通常5分程度の長さのところ「これ以上カットせずに託したい」と10分超のボリュームで師範代へ手渡した。
“くらべようとする類似力と、奥へ向かう相似力が僕の編集力”(ルイジ君とソージ君と親友になることが編集力への近道だ)
“何かを伝えようとするとき、「自分」で伝えようと思ってはいけない。代わりに「本」「教室」「師範代」「お題」などのメディアを媒介にしてきた“(これらすべてがイシス編集学校のシステムに組み込まれている)
(2018年12月10日 [守]伝習座の校長講義より)
それでは編集稽古のなかで、類似力や相似力を発揮するためにどのようにすればいいのか。康代学匠は、「要約と連想」「InとOut」といった「あいだ」の編集に可能性を見出す。
「この伝習座を、今まで用意した言葉を発するのではなく、これからを語ることでモードチェンジを起こす機会にして欲しい」(康代学匠)
学衆が「お題→回答」の番稽古を通じて「in→out」の情報編集の更新を重ねるように、師範代も自らのロールの可能性を再編集していく。伝習座は[破]の物語編集術の型を先取りすれば、「セパレーション→イニシエーション→リターン」の三間連結の場でもある。彼方から帰還した師範代はこれからどのようなモードチェンジ、ギアチェンジを起こすのだろうか。
来週から定常コースは用法2の後半へ、速修コースは早くも用法2へ突入していく。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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