5月に肺がんの手術をし、自宅にも本楼にも酸素ボンベ。そしてこれが、イシス全体に顔を見せる初めての機会である。松岡校長は、第77回感門之盟で何を口にするのか。誰もがその言葉を待った。
さすが校長は期待を違えない。これが第一声だ。
「ヒゲだけかよ」
司会の嶋本昌子さんが「校長のヒゲのファンなんです」と語ったことへのツッコミだった。
編集は機を逃さない。このひと言で場には動きが生まれ、司会にドライブがかかった。
グレーのスーツ姿で登壇した校長が、テーマ「DANZEN」を引き取って真っ先に口にしたのは、「ダンテン」だった。破断点、遮断点、切断点、中断点、区切点、休止点、横断点の「断点」だ。
「私たちは断点をたくさん持っています」
「例えば」と校長はパラリンピックを例に挙げる。障害はいわば断点だ。だが障害度にあわせて細かくルル三条を編集することで、そこにはイキイキとした場が出現する。
「断点は、私たちの学習、知識、表現力にもあります」
断点は言い換えれば、分節点だ。フラジャイルや不足、編集の機と言い換えることもできるだろう。
だがこれらの「断点」は、摩滅しているか、目に見えなくなっている。捨てられたり、忘れられたりしているものもある。
ではどうするか。
「潜んでいる断点を掘り返して繋げていかなければいけない」
守の38のお題は、校長らが練り上げた「断点」だ。この断点をめぐり、「ワカル」「カワル」――問感応答返を繰り返す。これがイシスの稽古だ。
「自らダンゼンを導き出してください」
それぞれのダンゼンを極める2日間――第77回感門之盟が始まった。
角山祥道(ジャイアン)
編集的先達:藤井聡太。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り感門では代表挨拶。師範代登板と同時にエディストで連載を始めた前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系(うずうず)にする異端児。
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