なぜあの時、断ったのか。
阿部幸織は1年振りの本楼でずっとそのことを考えていた。
33花伝所を放伝し、46守スターシード教室の師範代となった阿部は、引き続き、46破師範代になると誰もが思っていた。だがさまざまなチャンネルからの誘いに、阿部は首を縦に振らなかった。破の師範代はやらない。決意は固かった。
なぜ断ったんだろう?
どうしてその決断をしたのだろう?
実は阿部の中で、いまだその答えは出ていない。だがイシスにはその後も関わり続けた。2月に行われた旬然ツアーでは自ら手を挙げツアー師範代をつとめあげ、この春、物語講座14綴から帰還した。
「実は春からの48破を、学衆として再受講しようと思っていたんです」
そのタイミングで、「破の師範代をやらないか」と1年越しの要請があった。阿部はそれを受けた。
校長からもらった「出世魚」、その名は「シード群生教室」。
星のタネは群生へ。
「蠢いているのですね」
すかさず阿部師範代が続けた。
校長が声を重ねた。
「星の子は、いっぱいいるよ」
なぜ引き受けたのか。
阿部の中にまだ答えはない。答えは、これから出していく。
▲群生はインタースコアに直結する
角山祥道
編集的先達:藤井聡太。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り感門では代表挨拶。師範代登板と同時にエディストで連載を始めた前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系(うずうず)にする異端児。角山が指南する「俺の編集力チェック(無料)」受付中(左のQRコードからどうぞ)
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