感染するのは、ウイルスだけではない。イメージだって伝染するのだ。
新型ウイルスの変異が騒がれる昨今、2021年4月9日のエディットツアーのテーマに選ばれたのは「感染編集」だ。
名古屋在住の小島伸吾(7[守]風紋某某教室師範代)は、名古屋城のシンボルである金のシャチホコにふと目をとめた。キンシャチってそもそも何なのか。小島は、千夜千冊846夜にも取りあげられている国立民族学博物館名誉教授・立川武蔵氏とともに歴史を紐解いては目を丸くした。
名古屋の鯱鉾は、ユーラシアの幻獣を母にもち、父は京都祇園祭の長刀鉾かもしれない。しかもそれを初めて天守閣に掲げたのは織田信長だ。
どうして京とアジアの文化が融合したのか。なぜ、信長がそれを政治利用したのか。
その秘密は、編集術の型「一種合成」にヒントがあった。イメージのうつし、トランスヴィスタ(転景)を端緒に鯱鉾の意匠を読みとくことで、これまで語られたことがなかった「編集者信長」の思考法に迫る。
◆ ◆ ◆
NHK特番級の歴史スペクタクルへ誘うのは、曼名伽組組長・小島伸吾。自身の営むヴァンキ・コーヒーロースターから、美大仕込みの手描きイラストとをまじえて軽妙にナビゲートする。
サポートには、松岡正剛の詩歌論30冊以上をリミックスした『うたかたの国』を企画・編集し、日本文化への博識ぶりが群を抜く米山拓矢(22[守][破]まれびとフラクタル教室師範代)をむかえる。
さらなるテーブルコーチとして、まちあるき事業「まいまい京都」を運営し、まちを編集的に語らせたら天下無双の福田容子(27[守]28[破]推感まいまい同盟教室師範代)、大阪の下町で都への熱情にうなされている梅澤奈央(42[守][破]はじかみレモン教室師範代)が登場。
デザインや文化的意匠に興味のある方のみならず、硬直したイメージや息苦しい社会への違和感をもつ方も必聴のツアーだ。
文化がとっくに「特定の文化感染症」(たとえば資本主義感染症やコンプライアンス感染症)にかかりっきりになって、いつのまにかひどい“同質化症状”をきたしていることに突っ込めなくなっている状況を、いまこそ総点検するべきなのである。ーー松岡正剛
イシスフェスタ・エディットツアー【名古屋×京都】
京の山鉾はいかにして尾張の鯱鉾になったのかー伝染しの編集ロードー
■日時:2021年4月9日(金)19:30 – 21:00
■会場:Zoom(お申し込みの方に参加用URL、パスワードをお送りします)
■参加費:1,100円(税込)
■定員:先着12名様
■出演:小島伸吾、米山拓矢、福田容子、梅澤奈央
■お申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/276
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで絶賛編集力向上中。今、最も旬なエディスト「うめこ」のこれからの活躍に刮目されたし。
レクサスの祖先はシャチホコだった?!一種合成で天下をとった信長編集術とは 【エディットツアー名古屋×京都レポ】
それは、シャチホコの解体ショーだった。 4月9日(金)晩、名古屋と京都をつないでエディットツアーが開催された。正式タイトルはこうだ、「京の山鉾はいかにして尾張の鯱鉾になったのかー伝染しの編集ロードー」。ギラギラした鱗をは […]
編集学校には校舎がない。あなたがパソコンをひらけば、いつもそこが教室だ。移動の自由が奪われた2020年、もともと「自宅が教室」だったイシス編集学校にとって、ステイホームの掛け声は学びの充実をもたらした。 […]
『情報の歴史21』編集長が年表レクチャー コツは「Qちゃんとヤワラちゃん」
『情報の歴史21』がついに刊行された。一般発売は2021年4月15日。それに先立つこと2週間前、編集長吉村堅樹がイシス編集学校のリアルレクチャーの場第157回伝習座に登場。その編集方針を明かした。 ▲左から […]
イシスのマル秘テク「共読」とは何か うるさい読書で千夜に挑む 46[破]伝習座
■ なぜイシス学徒は 膨大なテキストを読めるのか イシスは、読みの学校だ。ひとたび教室に座れば、つぎからつぎへと読むべきテクストがやってくる。それは、まるで「はい、じゃんじゃん」「はい、どんどん」と投げ込まれるわんこ […]
春爛漫、師範代が羽ばたくために8時間 47[守]46[破]伝習座開催
入学の春がきた。教える立場にこそ、春はまぶしい。10冊の本をひょいと抱えた10名の新任師範代が、ぞくぞくとZoom会場に現れる。東京・豪徳寺ISIS館には、22枚のオリジナルフライヤーが誇らしげに胸を張る。その一人ひとり […]
NEWS新着記事
PICK UPピックアップ記事