目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
煙草を燻らす松岡校長。
その目線の先にいるのは、鈴木康代[守]学匠だ。
感門之盟のテーマ「律走」をイメージした青いワンピースと青いイヤリングを身につけ壇上へ上がる。だが学匠がまず放ったのは律ではなく爆。メモリアルな第50期の[守]講座は、「爆走」「爆発」「爆上がり」により律走のその先へいく新たな時代に入った[守]だったと振り返った。
ある学衆が[守]の最初のお題「コップは何に使える?」をAIに尋ねたところ、AIよりも自分の回答の方がおもしろいと言ったという。なぜそんなことが起こるのか。康代学匠はイシス編集学校がおもしろい理由を3つ挙げた。
1.問答が加速する
イシスの編集稽古はお題・回答・指南からなる。そこには律動があり、師範代が加速する問答を加えていく。著書『外は、良寛。』で松岡校長が書いた「不断の禅林生活」と同様、「繰り返し」のなかで劇的な「目覚め」が編集稽古の中では起きている。
2.教室は動いている
今日ははるばる喜界島から高校生の学衆が豪徳寺の本楼へ駆けつけた。編集学校のオフ会にあたる汁講で教室に「ないもの」を持ち寄ろうという話になったとき、彼は夕陽を動画で撮って持参し周りを驚かせたそうだ。ネット上にあるイシスの教室ではテキストベースでやり取りがなされるが、教室は白と黒だけの止まった世界ではない。仲間と交わし合いながら進む編集稽古だからこそ、教室はハッとする出会いで他者と影響しあう格別の場なのだ。
3.あらたな虚を探したくなる
リアルとバーチャルという見方でいえばイシスの教室はバーチャル(虚構)の世界だと思われがちだ。だが、そこにリアル(実体)があらわれてくるのが編集学校。虚実皮膜の世界観のなかで、あらたな虚に行きたいと思わせるものがあるのがイシスの魅力だと康代学匠は言い切る。
50[守]を修了した卒門者は計134名。半数以上が[守]のネクストステージである[破]へ進むことをすでに宣言している。
あらたな虚への冒険に向けて、学匠は卒門者たちの背中を押す。
登壇の直前、ひとりその場に立っていた康代学匠の視線の先には松岡校長がいた。感門之盟は門を感じながら、眼差しが交わし合わされる場でもある。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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「慈円をどう読むか。(中略)日本人として、日本の歴史を読む者として、この課題はまことに大きいものがある」。校長・松岡正剛が極めて重視し、千夜千冊冒頭や著書『擬』(春秋社)において「顕と冥」「道理」といった慈円の世界の捉え […]
本楼に中3男子が現れた。テーブルにつくとかぶっていた黒いキャップを脇へ置き、きりっとした表情を見せる。隣に母親が座った。母は数年前にイシス編集学校の存在を知り、興味を持ちながらもイベント参加にはなかなか勇気が出なかった。 […]
先月、目の前に1冊の本が落ちてきた。部屋に積まれた本の小山から飛び出したのは、松岡正剛校長の著書『17歳のための世界と日本の見方』(春秋社)だ。それからというもの、SNSでイシス編集学校の宣伝を見かけることが急に増え、勢 […]
11/23(日)14~15時:ファン待望の「ほんのれんラジオ」公開生トークイベント開催!【別典祭】
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕! 豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。 松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感に […]
母が亡くなった。子どもの頃から折り合いが悪かった母だ。あるとき知人に「お母さんって世界で一番大好きな人だよね」と言われ言葉を失ったことがある。そんなふうに思ったことは一度もない。顔を合わせばぶつかり、必要以上に口もきかず […]
コメント
1~3件/3件
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。
2026-03-05
かつて「大人マンガ」というジャンルがあった(詳しくは「マンガのスコア 園山俊二」参照)。この周辺には、ファインアートと踵を接する作家たちが数多く存在する。タイガー立石もその一人。1982年、工作舎から刊行された『虎の巻』は、まさしくオトナのためのマンガの最極北。いいお酒といっしょにちびちび味わいたい。