中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
多読ジムが出版社とコラボする!? 2022年4月11日開講の「多読ジムSeason10・春」では、出版社とコラボする新企画「”版元コラボ”エディストチャレンジ」がスタートします! 企画第一弾のコラボ出版社は太田出版に決定! 三冊の本をつないでエッセイを書く「三冊筋プレス」の”オプションお題”という位置づけで出題され、多読ジム受講者なら誰でも参加することができます。
「エディストチャレンジ」は、三冊筋プレスのシーズンテーマに合わせて出版社が選本した”トレーニングブック”をもとに、三冊筋のエッセイを書くお題です。さらに、佳作として選ばれた作品はイシス編集学校のウェブメディア「遊刊エディスト」に掲載されるとともに、出版社のSNS等でも取り上げられるというプチアワードがついています。
そのエディストチャレンジ第一弾でコラボする出版社が、「根源的、挑発的」をモットーとし、サブカルチャーやマンガでおなじみの太田出版に決まりました。では、「Season10・春」のテーマ「男と女の三冊」のトレーニングブックは?
『それはただの先輩のチンコ』(阿部洋一)、通称『それチン』!
タイトルのダイレクトな表現に驚いてしまった方も多いと思いますが、『それチン』は”「男らしさ」の呪い”にまつわる切実なオムニバス漫画。朝日新聞デジタルに著者の阿部洋一さんのインタビュー(男性器を集めて愛でる世界 漫画家は「男らしさ」の呪いを降りたい)が掲載されているので、興味をもたれた方はぜひ読んでみてください(有料会員記事)。「Ohta Web Comic」でマンガを試し読みすることもできます。
阿部さんは文化庁メディア芸術祭マンガ部門に選出された経験もある実力派で、『このマンガがすごい!』と双璧をなす『このマンガを読め! 2019』(フリースタイル)では、山田参助『あれよ星屑』(KADOKAWA)、西村ツチカ『北極百貨店のコンシェルジュさん』(小学館)と並んで、『それチン』は第4位に輝いています。
左が『このマンガを読め! 2019』(フリースタイル)
エディスト読者に向けて、『それチン』の担当編集者さんから推薦コメントも届いています。
今回のエディストチャレンジはお題本が「マンガ」なので、「DONDEN読み」で仕上げるというルールも付加されています。「DONDEN読み」は、マンガと新書と文庫を三冊セット読む読書法です。2017年に近畿大学に新設された、マンガと新書と文庫だけで構成された図書空間「DONDEN」を松岡正剛校長が企画した際に考案されました。
「遊刊エディスト」の人気連載「マンガのスコア」(ホリエ)でも取り上げられている漫画家・山本直樹さんのDONDEN読み。山本さんは太田出版のウェブコミック「Ohta Web Comic」で「練習」を絶賛連載中!
求ム、『それチン』挑戦者!
Info
◉多読ジム season10・春 三冊筋プレス
「”版元コラボ”エディストチャレンジ」◉
∈出版社
太田出版
∈トレーニングブック
阿部洋一『それはただの先輩のチンコ』(太田出版)
∈DONDEN読みの三冊
マンガ:『それチン』
新書: ?
文庫: ?
∈DESIGN the eye-catching image
穂積晴明
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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