自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
20周年記念「Edit Japan2020」第74回感門之盟で、45[守]を終えた師範代21名に「先達文庫」が授与された。編集学校では一期を全うした師範代に、松岡校長が自ら本を選んで贈る。師範が師範代をねぎらう感門表を授与し、先達文庫を託された鈴木康代学匠が、師範代を称えながら一冊一冊手渡していく。
前半は、本楼スタジオから、平野しのぶ師範と桂大介師範がナビゲートした。
◆天野陽子師範代 (分身リトム教室)
『ここ過ぎて 白秋と三人の妻』 (瀬戸内 寂聴/小学館文庫)

◆下平真史師範代 (神島帝釈天教室)
『南方熊楠随筆集』 (南方 熊楠:著, 益田 勝実:編集/ちくま学芸文庫)

◆福井千裕師範代 (野の字しびれる教室)
『星戀』 (野尻 抱影、 山口 誓子/中公文庫)

◆三國紹恵師範代 (反転アーク教室)
『笑いと忘却の書』 (ミラン・クンデラ/集英社文庫)

◆宮原由紀師範代 (やわらスパイラル教室)
『イメージを読む』 (若桑 みどり/ちくま学芸文庫)

◆後藤陽子師範代 (縁カウンター教室)
『失われた図書館』 (A・M・ディーン/集英社文庫)

続いて、近畿大学 特設スタジオから、山根尚子師範代と景山和浩番匠がナビゲートする。名古屋から駆けつけたイシス支所・曼名伽組(まんなかぐみ)小島組長からもご挨拶いただいた。
◆佐藤玲子師範代 (型紙みえけん教室)
『パンツの面目ふんどしの沽券』 (米原万里/ちくま文庫)

◆西村慧師範代 (アフロル・テクノ教室)
『1冊でわかるポケット教養シリーズ 数字と科学から読む音楽』 (西原稔, 安生健/ヤマハミュージックメディア)

◆岡本尚師範代 (ざこば太郎教室)
『日本の伝統』 (岡本 太郎/知恵の森文庫)

◆野住智恵子師範代 (すみれの花咲く教室)
『井上ひさし ベスト・エッセイ』 (井上 ユリ:編, 井上 ひさし:著/ちくま文庫)

ご卒門された皆様、おめでとうございました。
◇後半の部:45[守]先達文庫(後半)第74回感門之盟
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。