コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。

「ナツセン」「アキセン」と続いた「○○に読みたい千夜千冊シリーズ」が再びやってきました。今回は50[守]師範・番匠が冬に読みたい千夜千冊「通称フユセン」をエディションシリーズから選びました。ISIS編集学校のInstagramとFacebookで連載公開したフユセン、遊刊エディストではまとめてお届けします。
選本:50[守]師範・番匠
撮影:堀田幸義・エディストカメラ部
◆千夜千冊エディション『宇宙と素粒子』より
「時間とは何か」と、大きな問いを考えてみる。調べ始めて問いを分節化していくと、問いが問いを生み出し無限ループに陥ってしまう。隠れた複雑さに気づき問題が不可解に変わるが、時間を考えるのは楽しくて時間を忘れてしまう。選者 堀田幸義(師範)
写真 堀田幸義
キラキラ光るモミの木は一夜で門松と鏡餅に変わり、第九が流れて除夜の鐘が鳴る。有名人が豆をまくと同時においしそうなチョコレートが所狭しと並び始める。よりどりみどりの寄せ鍋ニッポン。出汁や土鍋にもカーソルを向けたい。選者 森本康裕(師範)
写真 後藤由加里
2018年大晦日。この年最後に更新された一夜が桂米朝『一芸一談』だった。正月に繰り返し目を通したせいか、冬よりもお正月の印象が強いのだが…。それにしても昭和の芸談の色っぽさと奥深さよ。芸を磨き抜くと言葉も輝くのだ。選者 景山和浩(番匠)
写真 阿久津健
◆千夜千冊エディション『読書の裏側』より
本は裏側でもっと際どいものにつながっているはずで、そこに向かうにはときには玄関からではなく裏口から忍び込むのも大事。字を追いかける=読むにしてしまうのは大変勿体ない、というか、それでは肝心かなめなところに行けないかも?選者 佐藤健太郎(師範)
写真 木藤良沢
◆千夜千冊エディション『読書の裏側』より
「とてつもなく驚異的な随筆だ」の一言にハッとして手にした。愉快な思考がその本の中で淡々と踊るように、メタファーや見立ての言葉となって巡る。力み無く読めた西脇順三郎の文体がじわじわと身体に滲みる。もう一度読むべき一冊になった。選者 若林牧子(番匠)
写真 木藤良沢
植物の開花の準備は、一定期間の低温を経ないと、はじまらない。リアル本にとって、厳しい状況が続いている昨今は、春に向かう仕込みのための時間。「本族」を標榜する我々は、手がかじかんでも「読む」と「書く」の手を止めてはならない。選者 阿曽祐子(師範)
写真 牛山惠子
◆千夜千冊エディション『物語の函』より
0580夜『アンナ・カレーニナ』レフ・トルストイ
真冬の駅でヴロンスキーと出会ったアンナ。恋の自覚は吹雪の駅での再会時。その果てに列車に身を投げたアンナ退場後も物語は続き、夏の生命感溢れる農場におけるリョーヴィンの悟りが幕切れ。タイトルロールだけが主人公ではない、と気づく第8部の充実に驚く。選者 相部礼子
写真 後藤由加里
フィギュールは、ひとつひとつ異なる「意味のタペストリー」を引き連れながら、常にチラチラと舞っている。それは白い雪の結晶のように、うっかりすると溶けて消えてしまう。冬の夜、雪を蝶に見立てて読みふけりたい千夜です。選者 阿部幸織(師範)
写真 林朝恵
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
2024年8月12日、イシス編集学校校長の松岡正剛が逝去した。エディスト編集部では、直後に約1カ月にわたる追悼コラム連載を実施。編集学校内外から多数寄せられた松岡校長の面影は、1年経ってもなお鮮明だ。まるでその存在が読む […]
写真家研究とモンタージュで写真を深める【倶楽部撮家:25秋募集】
倶楽部撮家 第2期生募集! 多読アレゴリア「倶楽部撮家」の第2期目は、「写真家研究」と「モンタージュ」を楽しみます。第1期目の夏シーズンは、自身の幼な心を起点にして、まずはシャッターを押してみることを試みてきました。次 […]
こまつ座「父と暮せば」をイシス編集学校の師範が観てみました 第2弾
こまつ座「戦後”命”の三部作」の第一弾「父と暮せば」(井上ひさし作/鵜山仁演出)が現在公演中です。時空を超えて言葉を交わし合う父と娘の物語。こまつ座がライフワークとして大切な人をなくしたすべての […]
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【本楼紹介】世界一大きな躙り口?井戸のような書棚空間「井寸房」
松岡正剛の蔵書を配架しているゴートクジISIS館内「本楼」(東京都世田谷区)には約2万冊の日本に関する本が並んでいます。普段、一般公開されていないこの「本楼」の一部を特別にYouTubeイシスチャンネルでご紹介します。 […]
コメント
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2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)
2025-08-19
エノキの葉をこしゃこしゃかじって育つふやふやの水まんじゅう。
見つけたとたんにぴきぴき胸がいたみ、さわってみるとぎゅらぎゅら時空がゆらぎ、持ち帰って育ててみたら、あとの人生がぐるりごろりうごめき始める。