空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。

秋田県、群馬県、鳥取県、島根県、愛媛県、長崎県──。
おいしい米産地ランキングではない。おすすめ秘境温泉ランキングでもない。アニメの聖地ランキングとも違う。これら6県には、あるイシス的共通項がある。
2000年にインターネット上に生まれた編集学校は、今年7月、20周年を迎える。日本でのADSL実験が1999年4月から実施されたことを考えると、かなり先駆的だ。開校当初の第1期に、たった12人の師範代(編集コーチ)から始まった学校は、いまや600人を超える師範代を輩出するに至る。
その分布は実に日本全国に広がっているかのように見えた。しかし、20年経てなお、師範代空白の地が、国内に存在する。それが、前述した6つのエリアである。47都道府県のうち6県、つまり、日本の約13%の地域で、いまだかつて、師範代が誕生したことがないのだ。
折しも2月22日、23日には、鈴木康代[守]学匠の自発的呼びかけにより、「エディットツアースペシャル」とよばれる編集ワークショップが全国で開催される予定だ。20個所以上の地で、師範代・師範たちがインターアクターとなり、同時多発的にワークショップを実施する。プランニング編集も佳境に差しかかる今、これら6地域を看過はできないだろう。
日本を飛び越えて、カナダ、アメリカ、フランス、イギリス、タイ、インドネシア、中国、韓国など、海外から参加する師範代も増えた。世界各地で編集力が駆使され、地域の編集・再編集に向けて機運が高まっている。創立20周年を機に、6県は編集肥沃地帯に転じるのだろうか。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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