メロディからハーモニーへ:バニー新井の共読ワーク【81感門】

2023/03/19(日)17:08
img

4月スタートの「多読ジム」の新シーズンテーマは「歌う3冊」。2023年3月18日の感門之盟では、「歌う一冊」を参加者から募集し、司会者がその場でインタラクティブに応じる特別企画「多読共読跳走ワーク」が開催された。

 

司会はイシスの「バニー新井」こと新井陽大(あらいあきひろ)である。軽快なトークが持ち味の新井は、司会・長島順子の「バニーということは、ある意味年男?」というフリに、「本当は酉年ですが、バニーに擬いて年男ということで」と即応し、会場の笑いを誘う。

 



多読とは多様性を読むこと。一冊でも様々な切り口で読めば「多読」になる。百冊読んでも同じような読み方しかしないなら「一読」でしかない。多読ジム名物の「三冊筋プレス」では3冊の本を様々な切り口でエディション読みしていく。そのプロセスは筋トレに近いが、鍛えるのは「読」筋。筋トレと同様に、トレーニングは続けることが何よりの秘訣。継続するうちに「読筋」の変化を確実に実感できるようになる。

 

ワークでは「あなたの思う歌う一冊」を本楼とZoomの参加者に選んでもらい、なぜそれを選んだのかを語ってもらう。そのメロディに新井がハモリながら、新たな歌を生み出す「響」読に挑戦する。

 

「忙しくても鼻歌が歌えるゆとりを持っていいよ」と励ましてくれた本を紹介する人。入院中に光と風と匂いしか受け入れられず、「唯一読めた」という詩集を挙げた人。一冊に込められた物語は人それぞれだ。

 

バニー新井はひとりひとりが本に出会い、響き合うに至るまでの背景に素直に感動しながらも、「鼻歌は人間らしさの象徴」「歌は原型に絡んでいるのでは」と[破]師範もつとめた新井らしく「型」で応じ、偶然寄せられたそれぞれのメロディを、必然のハーモニーへ仕立てあげた。

 

会場から寄せられる一冊と物語を次々に響かせていく新井(左・中央)。Zoomからの参加者に対して、手元のiPadに覗き込むようにして誠実に応じる姿も(右)

 

「紹介された本を読みたくなった」「私だったらこう歌いたい」「もっと色々な歌い方を知りたい」といった多様な読書の方法があちこちで共振する多読共読跳走ワークになった。

 

多読ジム」は、[破]講座を修了した突破者であれば誰でも受講可能。新しい春シーズン、多読ジムがあなたを待っています。

 

★春シーズンの多読ジムの詳細はこちら★

【多読募集】ボウイと歌え、サブカルズで遊べ season14・春

 

(編集:上杉公志)


  • 清水幸江

    編集的先達:山田孝之。カラオケとおつまみと着物の三位一体はおまかせよ♪と公言。スナックのママのような得意手を誇るインテリアコーディネーターであり、仕舞い方編集者。ぽわ~っとした見た目ながら、ずばずばと切り込む鋭い物言いも魅力。

  • カタルトシメス教室誕生とネーミング編集術の秘訣【81感門】

       命に名を与えるのではない。命の元である《地》のどこかに注意のカーソルを向けて、《図》を取り出し、名前を与えるからこそ、それがこの世に認知され、命になる。名付けは命付けだ。    名が付くから他の […]

  • 速度から相互へ:師範代の応接【81感門】

    速さが大事。    止観エンドース教室師範代・遠藤健史は医者だ。目の前の患者の状態をいち早く察知して、判断を下さなければならない。サッカーコーチで子育てパパとポリロールをこなすにも、スピードが必要。自身が学衆の […]

  • 感門団も律走中!【第81回感門之盟】

    黒膜の奥で、赤玉が蠢く。      半年間の編集稽古っぷりを寿ぐ、感門之盟の開始まであと3時間。草間弥生バリの赤の水玉ネクタイを纏ったスタッフが、ダンドリを確認し合う。      感門之盟 […]

  • 司会者が語る律走とは?リハーサルも律走中!【第81回感門之盟】

    桜より一足早くイシスの祭りがやってくる。半年間の編集稽古っぷりを寿ぐ感門之盟のリハーサルが始まった。今期のテーマは「律走エディトリアリティ」だ。      2023年3月16日、校長松岡正剛を筆頭に […]

  • ネタのタネ ウメコが明かす取材の奥義@JUSTライターデビュー直前講座

    遊刊エディストが変わろうとしている。創刊から4年たったいまでも、イシス編集学校にはまだスクープされていない「事件」がある。この現場に潜入し、記事として届けたい。弥生某日、エディスト編集部・上杉公志の声かけにより、その願い […]