【47守〆切迫る】来たれ、知の解放区 2021年春季講座

2021/04/15(木)10:19
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 編集学校には校舎がない。あなたがパソコンをひらけば、いつもそこが教室だ。移動の自由が奪われた2020年、もともと「自宅が教室」だったイシス編集学校にとって、ステイホームの掛け声は学びの充実をもたらした。

 

■体験講座、エディットツアー大好評


 2021年4月26日に開講する47[守]でも、その勢いは衰えない。2名で1名分の受講料となる家族割は満席御礼。親子で、夫婦で、一家で稽古をするというトレンドが広がっている。学林局はニーズに応えるため、エディットツアー参加者特典として家族割の適用を決めた。従来であれば、ツアー参加者には門前割(受講料2割引)が用意されているが、今春は家族割か門前割のどちらかの選択が可能となる。
 対象となる全14回のエディットツアーは、すべてオンラインで開催された。編集術の基本の型をゲーム感覚で身につける体験講座は、90分1100円(税込)。今期は4月10日開催分をもってすべて終了、最終回は参加者30名をむかえる大盛況となった。次回は2021年夏開催が予定されている。

 

 これらのツアーの企画・運営は、北海道から九州まで全国各地に散らばる師範や師範代が自主的に担当。各回、内容も仕立ても異なる。教えることが最大の学びだと知るイシス人にとって、ツアーのプランニングも編集稽古なのである。
 編集学校では、講座以外のプロジェクトもこうして多数並走する。講座の指導陣としてアサインされるのは、年間のべ200名。そこに、遊刊エディストの編集者81名や帝京大学での共読ナビゲーター38名、さらには伝習座から感門之盟まで本楼映像のカット編集を任された黒衣のテクニカルスタッフなども含めると、この1年はのべ550名以上が実社会での編集稽古の実践を続けていた。

 

■社会をエディットする方法を学ぶには

 どうしてイシス学徒は教室を飛び出しても、社会をエディットできるのか。その秘伝は、松岡校長が「日本にとって必要」と断言する花伝所にある。松岡は確信している。「日本人は『コーチ』が下手。ラグビーもサッカーも海外から監督を招いてはじめて強くなった。この先行き不透明な時代にこそ、日本には優れた編集コーチが必要」
式目改編や新師範登板など改革めざましい花伝所は、いまやたんなる師範代養成機関ではない。五輪開催が危ぶまれる未知の情勢にも、編集のスパイクで駆け出そうとする日本の希望である。

 放伝後の活躍は多様だが、花伝所への道はただひとつ。卒門し突破することだ。校長の仕事術を学び、実践する破。第75回感門之盟でも、稽古の集大成・プランニング編集術のアワード発表が行われ、注目を集めた。

 ともに書き、ともに読む。イシスの根幹をなす「共読」に溺れたいなら、多読ジムへ。学匠や番匠、林頭なども読衆仲間だ。編集学校に卒業はない。コロナの春に、知のワクチンを。イシスの共読区は、編集アスリートの入国を心より歓迎する。

 


イシス編集学校 2021年度 春季開講講座

<受講受付中>(4/15現在)

[守]基本コース(第47期)

 ◯定常コース

 応募〆切:4月19日(月)

 稽古期間:4月26日(月)より17週間

  →無料の学校説明会がオンラインで開催されます。最終回は4月17日(土)

 ◯速修コース

 応募〆切:5月17日(月)
 稽古期間:5月24日(月)より13週間

  →こんな講座です:加速する思考を体感すべし![守]速修コース申込み開始

 

輪読座 日本哲学シリーズ「柳田国男」を読む

 受講受付中

 開座期間:4月25日(日)より全6回(毎月最終日曜)

  →こんな講座です:輪読座、4月25日から「柳田国男を読む」開座間近!

 

 

<次期開講をお待ちください>

[破]応用コース(第46期)

 応募〆切:4月12日(月)(※受付は終了しました)

 稽古期間:4月19日(月)より17週間

 

[ISIS花伝所]編集コーチ養成コース(第35期)

 稽古期間:4月12日(月)よりプレワーク(※受付は終了しました)

 道場演習:5月9日(日)より7週間

 

[多読ジム]Season06春

 応募〆切:3月31日(水)(※受付は終了しました)

 稽古期間:4月12日(月)より11週間

 ◯次期Season07夏の仮予約受付中です。

  →受講を迷ったら:受けるべきか、せぬべきか ≪多読ジム問診表≫

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025