マンガにおける短詩系文学といえば四コママンガということになるだろう。四コママンガに革命をもたらした最重要人物の一人である相原コージは、そのものズバリ『漫歌』をものした。
編集学校では、読書における「読前・読中・読後」がジョーシキになっている。
本は、本文だけが情報ではない。表紙もカバーも帯もソデもフォントもイラストも情報だ。触れた紙のざらつきも、タイトルから想起される胸のざわつきもすべて情報である。
漫然と1ページ目から読みはじめていてはもったいない。著者のねらいに思いをめぐらせ、自分の興味・関心や疑問に耳を傾け、自分なりの「読みのブラウザー」を起動させて読書に臨む。「読前」のヒケツだ。
12歳の少年も、編集かあさんと一緒に最新の千夜千冊エディション『心とトラウマ』の「読前」をやってのけている。
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記事の執筆にも「読前」がある。
遊刊エディストの編集部ミーティングでは、ライターや編集学校ボードメンバーとの意見交換の場を定期的に設けている。
3月6日の[破]ボードメンバーとのオンラインミーティングで、原田学匠は「何が起こるか想定し、取材する前提で臨まないと記事も書けないですよね」という。
ボードメンバーはEdit Cafeや汁講の様子をキャッチして「これは!」というネタを記事化するわけだが、取材・執筆のための「読前」がカンジンになってくる。
現役師範の小路千広とわたなべたかしが、おおいに「読前」しつつ、物語編集術の大賞受賞者にインタビューをおこなった。
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「読前」を意識しつつ一読してほしい。
二人が注目するのは、受賞学衆の編集プロセスだ。緻密な翻案に[守]の編集術が明示・暗示されている。
インタビュー記事そのものが、師範によるリバースエンジニアリングであり、師範の「読みのブラウザー」を借りた読書体験であり、インタビュー編集術の実践そのものである。自身のインタビュー稽古の回答との照合をすすめたい。
小路・わたなべ両師範も
「受賞者の稽古を、学衆さんが自分の稽古と重ね合わせて読んでくれていた」
「インタビューを通じて稽古のプロセスがオープンになっていく過程が楽しかった」
という。
一部の教室では、師範の「読みのブラウザー」を通じた方法の交わし合いが始まっている。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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コメント
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