布陣を見れば、形勢がわかる。イシスの春の陣容をながめ、林頭吉村堅樹は震えあがった。「トロイカ体制じゃないか」 この春開講する[守][破][花]の3講座の指導陣3トップを、すべて女性が占めることとなったのだ。
イシス編集学校は、「番」でできている。「番」はふたつのものが組み合わさり、継ぎあうことを指す。[回答]と[指南]の往復による番稽古。[学衆]と[師範代]というつがい。そして[学匠]という講座リーダーに対して、[番匠]という大工に由来する役割まである。
昨日開講した[破]、プレワークが始まった[花]、そして開講を目前にする[守]の布陣を見てみよう。
49[守] 学匠:鈴木康代、番匠:石井梨香・若林牧子
48[破] 学匠:原田淳子、番匠:野嶋真帆・福田容子
37[花] 所長:田中晶子、花目付:深谷もと佳・林朝恵
なんとも逞しく華やかなドリームチームだ。まるでオーシャンズ8の女盗賊を見るようである。
▲上から順番に[守][破][花]指導陣。
イシス編集学校には、3つの情報を整理する[編集思考素]という型がある。それでなぞらえるならこうだ。
[守]は一種合成。石井の気配りと、若林の愛嬌をあわせれば、康代ができあがる。
[破]は三間連結か。駆けいだす福田に、野嶋が介添え、原田がきりりと帯を締めあげる。
[花]は三位一体だろう。いたわりの田中に、よりきりの深谷、そして、くすぐりの林。
つづけて吉村はイシス全体を俯瞰する。世界読書奥義伝[離]の総匠は太田香保、[遊]物語講座は綴師赤羽卓美の黒一点に、月匠木村久美子、創師小濱有紀子が挟み撃ち。新設された[多読ジム]でも、冊匠大音美弥子が吠えている。
「輪読座だけか」吉村はつぶやく。バジラ高橋氏が率いるこの講座だけは、赤の勢力から独立しているらしい。校長松岡正剛の築いたイシス編集学校で、この春どんな合戦がおこなわれるか。いまからでも遅くない。気になる者は臆せず参戦せよ。
写真提供:後藤由加里
■[守]基本コース 2022春講座
2022年4月25日(月)~2022年8月21日(日)[定常プラン]☆満席御礼
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梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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