ひいきのプランは残ったか? 本選出場3教室が決定! 【46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix】

2021/08/27(金)12:34
img JUSTedit

来る感門之盟の華、P-1グランプリ本選出場3教室が、読者投票と[破]指導陣の推薦で決定した。46[破]で改訂された「プランニング編集術」から生まれた10教室のハイパーミュージアムプラン。決勝進出の行方を握る読者投票で追いつ追われつの激戦を制したのはこの2プランだ。

 

◆プラン:6 ジャイアン対角線教室
ミュージアム名「東京イルマニア博物館」
忽然と現れるオブジェを消せ――「何もない」をするミュージアム
Edited in Prisma app with Dallas
https://edist.isis.ne.jp/just/46ha_p1_06/


◆プラン:2 アジール位相教室
ミュージアム名「ハッコウクエスト~発酵キングダムへの招待~」
ド派手で不思議なヤツラ。発酵世界の勇者を醸す冒険ミュージアム。
https://edist.isis.ne.jp/just/46ha_p1_02/

 

プラン6には「不足を余白と捉え返したところが良かった」「入間の空に浮かぶモノリスを見てみたい」、プラン2には「古よりの不思議な力、今を乗り越えるヒントになりそう」「発酵に憧れる子どもが醸成される世界は豊かだと思います。」といった選考理由が届いている。多くの読者に「まだ見たことのない忘れもの」を喚起させたこれらの魅力が、本選でどうショーアップされ、記憶に残るプレゼンテーションとなるのだろうか。感門之盟というステージで、破で磨いた編集力がさらに活かされる。


そして本選出場の残り1枠は、松岡校長の仕事術に迫れているかという視点から[破]の指導陣が選出したこのプランだ。

 

◆プラン:10 王冠切れ字教室
ミュージアム名「ニッポン吟醸蔵」
「お金」の時代を総括せよ!バブル資本主義から「吟醸の蔵」へ
https://edist.isis.ne.jp/just/46ha_p1_10/

 

「吟醸なるもの」を社会の見方に発展させたメタファーづかい、バブルと発酵という二焦点で世界で仕立てる手筈。いかなるときもメタフォリカルで、異質なものの組み合わせから新たな価値を生む松岡正剛の方法が静かに脈打つ伏兵だ。


出場の喜びを分かち合う時間も、コロナワクチンの副反応を気にする余裕もなく、3教室はすでに王座をかけた作戦会議に向かっている。
決戦は9月5日。本気の競いを刮目せよ。

 

画像:野嶋真帆

  • 野嶋真帆

    編集的先達:チャールズ・S・パース。浪花のノンビリストな雰囲気の奥に、鬼気迫る方法と構えをもつISISの「図解の女王」。離の右筆、師範として講座の突端を切り開いてきた。野嶋の手がゆらゆらし出すと、アナロジー編集回路が全開になった合図。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025