ミメロギアde餅つきする―50[守]

2023/01/05(木)12:57
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 [守]の風物詩である番選ボードレールは餅つきだ。教室に差し出されたお題に対し、学衆と師範代が回答と指南を繰り返すことにより作品が完成する。
 もち米を置いたままにしていたら硬くなる。双方のリズミカルなやりとりが肝である。

 

 第2回番選ボードレールは025番「即答・ミメロギア」。50[守]では7つのお題が出された。最近の[守]では6つであることが多いが、お題が増えたのも期待のあらわれである。
 年末年始をまたいで行われている餅つきはいよいよ後半戦。そろそろ腕に疲れも出てくる頃だろう。エディットが動きにくくなったら、コンパイルに立ち返るのがオススメだ。もちろん、蒸したてのもち米を臼に入れたばかりの学衆にも役立つ方法である。

 

 「コンパイルの目指すべきはシソーラスだよ」という言葉が刺さった。シソーラスが豊かでないとエディットは始まらない。コンパイルとエディットの連結はシソーラスなのである。64編集技法の最初の5つの編纂技法は、ある物事の定義づけに用いられるグロッサリーを[01収集]、[02選択]、[03分類]しながら、シソーラスの[04流派]と[05系統]を広げていく。それらの豊かなシソーラスによって、“これでアナロジーが存分に効くな”、というレベルまで行くことがコンパイルの目指すところなのだそう。
──をぐら離 文巻第5.5週 ─「縁起と編集」

 

1502夜『クラブとサロン』

コンパイルのツールは辞典だけでなく、千夜千冊、書籍など多岐にわたる

 

 

 つき終わった餅への味付け・トッピングも忘れてはいけない。きな粉にするか、あんこにするか、海苔を巻くか、醤油をつけるか、すりつぶした枝豆を乗せるか。それとも雑煮に入れるか、お汁粉にするか。
 エントリー締め切りは8日(日)22時。時間はまだまだある。

 



カッパらくらく教室では、第1回番ボーに登場したざしきわらしに加え、月兎も登場し、餅つきを繰り広げている

 

  • 森本康裕

    編集的先達:宮本武蔵。エンジンがかかっているのか、いないのかわからない?趣味は部屋の整理で、こだわりは携帯メーカーを同じにすること?いや、見た目で侮るなかれ。瀬戸を超え続け、命がけの実利主義で休みなく編集道を走る。

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コメント

1~3件/3件

若林牧子

2025-07-02

 連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
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