自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
マツコ:なんといってもイシス編集学校20周年記念の感門之盟を、まだ昨日のことのように思い出される方も多いのでは?!史上初の2日間連続で実施された感門之盟。編集部メンバーたちも、エディスト・ライター達も、それぞれに役割を担って参加した2日間でした。では今月のChoice、いってみま~す。

─ 流麗な文章表現でPick!
今月は身びいきっぽくなりますが、やはり近大感門の記事を取り上げさせてください。
不特定多数に向けた記事にユーモアを含ませるというのは至難の業で、やり過ぎも中途半端も読者を遠ざけることになるリスキーな編集でもあります。
だからこそDUSTのおもしろ系記事は安定して書き続けられる人が多くなく、我らがエディストでも、ここはほぼシーザーの独壇場でした。
が、ようやくこれを脅かす存在が上方から現れた。
「爆破」はリアルタイムでも多くの反応を攫ったパワーワードでしたが、記事のタイトルでのフックのかけ方、ほどよく対象を「いじる」筆致、とても良い。でも感門之盟というイシス伝統のイベントへの本質的な理解は外さない。バランス感覚に支えられたうめこ記者の幅広い芸風には、これから大いに期待です。
マツコ:身びいきでも、手前味噌でも、感門之盟Day2にくりひろげられた近大特設スタジオからのステージはおもしろかった♪ さわやかスーツに身を包んでの司会役が堂に入り、局アナさながらだった川野さんからのChoice! は、 “Dustyうめこ”の誕生についてですね~。これからの芸風(?!)に大いに期待がかかります。

どうも。井ノ上シーザーです。最近のうめこさん、ノッテますね~。
内輪な話ですが、梅澤さんにはDUST記事の型を伝授しました。「短く、キレよく、どうでもよいことを面白く書く」。
いやはや、型を使いこなして勢いもよし。思い切りのよいタイトルのつけ方に、山田細香さんのイキイキとした表情と、免許皆伝です。あとは「人間の業」を描き、肯定する域に入ってほしいものです。
マツコ: お~。うめこさん、今月、2つめのオススメGetとなりました。DUST王こと “井ノ上DUSTYシーザー”が伝授した型はシッカリ伝承されているよう。フィーチャーされた山田細香さんは、川野さんと司会を務められましたネ。かまないセリフ回しがお見事でしたが、あの裏には、そんなB面があったとは?!うめこにもほそかにも、近大マグロ🐡を贈呈したい!

2020年9月としてはなんといっても20周年感門の節目。そこで具体的な記事ではなく、9月公開記事が90であったことと、そこに関わった編集者が30名超であることを強調したい。
敬称略で記事公開順で紹介します。
小倉加奈子、金宗代、福澤美穂子、後藤由加里、堀江純一、林朝恵、丸洋子、吉村堅樹、森美樹、小濱有紀子、エディスト編集部(松原朋子)、太田香保、松井路代、平野しのぶ、衣笠純子、小路千広、きたはらひでお、渡會眞澄、熊本人ユニット「よしふさ」(吉田麻子・植田フサ子)、石井梨香、梅澤奈央、上杉公志、増岡麻子、中野由紀昌、佐々木千佳、大武美和子、平野しのぶ、丸洋子、中原洋子、米川青馬、しみずみなこ
こちらで挙げている方以外にも、写真提供や記事企画など様々に関わられている方が多くいらっしゃいます。以下のリンクの編集者一覧から、直接ご覧くださいませ。
【エディスト編集者紹介】https://edist.isis.ne.jp/editor/
マツコ: 感門Edistを本楼スタジオから取りまとめたマエストロ上杉。一人ひとりへの細やかなやさしさ伝わる9月のChoice!本当に多くの方々が関わった、忘れがたい20周年記念の感門之盟となりました~。
Edistが立ち上がりまもない1年前の感門之盟では、記事はわずか10本ほどだったそう!ホー!

9月は感門フィーバーで、それ以外の記事が埋もれがちなところ、実は注目の記事がけっこうたくさん発射されていました。とくに多読ジム代将としては、「三冊筋プレス」や「三冊屋」をぜひとも取り上げたいところ。1本だけというのなら、スタジオ茶々々の冊師でもあり、「編集かあさん」でおなじみのマツミチさんの三冊筋プレスです。多読ジムには、その奥の奥のほうに「多読エディスト」という秘湯(?)があって、毎季そこでシーズンとシーズンのあいだに、十数名のかたに回答を切磋琢磨してエディスト記事に仕上げてもらうということをやってもらっています。マツミチさんのこの記事は、とりわけ二人三脚した感が強く、ぼくも思い入れのある作品となりました。
マツコ: ほんとに。感門の嵐以外の9月も忘れてはいけない! 金エディスト副編集長は、多読ジムの代将でもあり。多読エディストの編集に日々汗を流しているわけなのです。

─ 波及のインパクトでPick!
小倉加奈子析匠のおしゃべり病理医第2弾 『おしゃべり病理医のカラダと病気の図鑑』がついに10月1日刊行となりました。なんでも遊刊エディストのNEST記事を編集し直したコラムも入っているというではありませんか。確かに目次を見ると「あ!あの記事かな」と思えるものがいくつか。エディスト記事が本の上でどう編集されたのか私も手にとって読みたいと思います。
今回は実際にイラストを書く小倉さんの動画も開かれています。下書きなしの一発勝負。迷いなきペン捌きも注目です。
マツコ:新書、おめでとうございます!並行して本を執筆されていたとは思えないほどのコラム投稿率がまぶしい。今回はイラストをどんな風に書いているか、動画で披露も!
書いてよし、描いてよし、の小倉さん、この後はまた別の連載も企画していただいているとか。またまたさらに楽しみです♪ こうご期待!
いかがでしたか?!
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2020年9月の記事から、編集部おすすめ情報をお届けしました。
10月も見逃せないぞ、遊刊エディスト! またどうぞお楽しみに~
(Comments by マツコ@編集部)

エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
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【プレスリリース】新刊『不確かな時代の「編集稽古」入門』(11月13日発売)で、田中優子が学びの未来を問う
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、学長である田中優子による新刊の発売をお知らせいたします。 世界情勢の混乱、社会の分断、生成AI時代の不確実 […]
【田中優子の学長通信】No.12 『不確かな時代の「編集稽古」入門』予告
この表題は、もうじき刊行される本の題名です。この本には、25名もの「もと学衆さん」や師範代経験者たちが登場します。それだけの人たちに協力していただいてできた本です。もちろん、イシス編集学校のスタッフたちにも読んでもらい […]
田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい)」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら […]
コメント
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2025-11-18
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2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。