松岡正剛「千夜千冊の秘密」たそがれの書物世界 10shot

2020/09/02(水)18:00 img
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 「本はそもそもトワイライトです」

 

 丸善創業150周年記念連続講演会 最終回「松岡正剛 千夜千冊の秘密」。本番ギリギリまで申し込みが伸び、1000名近くがオンラインで参加した。夏の終わりの黄昏の一夜を10shot(実は12shot)でお届けします。

 

●青猫

ホワイエに飾られた7つの書。鏡の中に果てしなく連なる。

 

●茜色の代官山

会場はKASHIYAMA DAIKANYAMAギャラリー(代官山)。陽が落ちて夕暮れが訪れる。ウォールに白く浮かび上がる文字がゲストを迎える。まもなく開演。

 

●庭に隠れていた少年

「ノンちゃん雲に乗る(1015夜)、アンデルセン(58夜)、アルセーヌ・ルパン(117夜)、ハックルベリー・フィン(611夜)。絵本や童話は少年少女に大きな影響を与える。本に育てられ、引っ張られ、そこに隠れようとしていた。今日はトワイライトな本を愛でながら千夜千冊を書いてきたことについて話したい」

テラスから影を引き連れて会場に現れる松岡。

 

●I DESIGN

「コンデンセーション、ナビゲーション、キュレーション。この3つは本がスタートした頃から芽生えていた。そうであればこの3つを編集的現在にして、どうしたらもう一度導き出せるか、と書いてきたのが千夜」

マーキングされている石岡瑛子『I DESIGN』(1159夜)を手にして。

 

●アフォーダンスとパフォーマンス

「本からのアフォーダンスと本自身のパフォーマンスが重なって読書を成立させている」

会場のしつらいとそこにいるゲストからアフォーダンスを受けて、パフォーマンスをする。読書という行為が会場の隅々にまで満ち満ちていく。

 

●ソーシャル・ディスタンスは自分の中に持つ

「ソーシャル・ディスタンスは自分の中に作っていくもの。平時において有事を忍ばせるのがソーシャル・ディスタンス。では、どうしたら自らの中のソーシャル・ディスタンスを作れるか。宮本武蔵の『五輪書』(443夜)のようなものがあっていい」それは閾値、敷居(908夜)、瀬戸際を持つこと。千夜では一冊の本でその人は何を超えて、何を敷居にしたのかなるべく書こうとした。

 

●ペコちゃんを感じて

今回の演出、照明は「連塾」をともに創った”藤本組”が行った。2年前に逝去された照明デザイナー藤本晴美さんの存在を会場にいる多くのスタッフが静かに感じていた。

 

●書物を着る 読書服とヨージ

ファッションデザイナー・川西遼平さんが作った読書服。ページのように何枚もの布が重なり合う。お経がプリントされたヨージのパンツとあわせて。写真はメアリー・カラザース『記憶術と書物』(1314夜)の読書服。

 

●透過する板書

大きなアクリル板は感染症対策のためならず。見方を変えると板書のツールとなる。

 

●カメラは5台あった

最後のステージはソファに掛けてお届けする。テーブルの上には千夜千冊エディションシリーズが顔を揃えた。定点カメラを含めて計5台のカメラが四方から捉える。

 

●一番読んでもらいたい一冊

「一番読んでもらいたいのを一冊だけ選ぶとしたら『情報生命』。編集は生命の歴史そのものにあった。生命こそが編集力を持っている」

 

●継承する青年の想い

京都の丸善の棚に檸檬を置いて立ち去った。梶井基次郎の『檸檬』(485夜)をもってエピローグを迎える。

「丸善は創業以来、早矢仕有的が”燈す”という言葉を大事にしてきた。丸善は変化をし続けてきたがこの文字は手放してない。書物の前に立つ一人の青年梶井の思いをどこかで継承しなければならない。そのような「ほんと」を超える「つもり」の世界を丸善に作って欲しい」

 

大人になりたくない少年と「つもり」と戯れた青年の想いを小さく、深く、燈しながら満場の拍手の中、松岡は会場をあとにした。

 

 

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    編集的先達:小池真理子。
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。

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