発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

毎度おさわがせの御年賀企画は、九天玄氣組が腕によりをかけて松岡正剛校長にお届けする年始のご挨拶。2021年は発足15年目の節目ゆえ例年以上の密度なり。なにしろ40年前に刊行されたタモリとセイゴオの対談本『愛の傾向と対策』を元本に、夢野久作『ドグラ・マグラ』を練りこむという珍品・劇薬で御座います。ページを開けばアッ!と驚く九州人の擬きオンパレード!松岡校長も「こりゃまいった」と啞然呆然苦笑に失笑(セイゴオちゃんねる)。御年賀本のタイトルは『密の傾向と対策』、特製マスクとセットの玉手箱。『ドグラ・マグラ』のキチガイ祭文に準えて、祭文仕立てでご紹介。あーーア…スカラカ、チャカポコチャカポコ!
「丑」と「SEIGOW」の字をエンボス加工した玉手箱(内倉須磨子 作)に本(A5版/120ページ)とマスクセットを同梱してお届け。
▼ああーーアアーーあああ。【密】は避けても年賀は三密。口密(言祝ぎ祭文)、身密(千夜千冊の九州人もどき)、意密(松岡校長の九州講演録)な玄氣で。夢野久作『ドグラ・マグラ』のキチガイ祭文に遊ぶべく、全員参加の言祝ぎ祭文。~ステイホームやゴートゥーなんちゃら。娑婆は修羅場か令和の時代に。グングン根を張るイシスの学び舎~そんな珠玉の30祭文。祭文指揮者は吉田麻子(師範代/熊本)で御座います。…スカラカ、チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
頭山満の名台詞を九天仕立てに(26守/新部健太郎)
▼あーーア、【の】るかそるかの大一番。千夜登場の九州モンと似とる組員モデルに抜擢。タモリに西郷どん、頭山満に宮崎滔天、中野正剛、夢野久作、柳原白蓮、五木寛之に石牟礼道子。美輪明宏に椎名林檎。プロのメイクの先生にご指導賜る撮影会。化粧に衣装に気分もアゲアゲ。ジェンダーまたいで「ざわちん」擬き。ドグラ・マグラの米倉斉加年、表紙絵の女も飛び出した!三苫麻里(師範代/福岡)は決死の覚悟で臨みます…スカラカ、チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
表情だけで夢野久作らしさを演出(38破/飛永卓哉)
▼あーーア、【傾】斜角度の企画を立てよ。予測不能の年賀を届けりゃセイゴオ校長喜びますと。狙い定める初笑い、頂戴しました十五年。回覧されます、編工研に。学林局もなんじゃこりゃ!? 師範や番匠や評匠も、社長も部長も先生方も、支所の中では自在に遊ぶ。編集長は瓢箪組長、瞳の奥にゃ鬼も棲む。年賀は“念賀”と囁く声も賛歌のごとき調べなり。…スカラカ、チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
みっちん降臨と噂の石牟礼道子擬き(番匠/石井梨香)
▼あーーア、【向】きあう時代はコロナの一色。ウイルス退散、成仏しなされ。思い描くは耳なし芳一。全身お経で守ろうごとある。せめて口鼻隠しちゃらんね。触手も伸びる特製マスク、九天作ってみせましょか。田中さつき(師範代/大分)は布マスク、内倉須磨子(北九州)はフェイスシールドに精を出す。「セントカカール」と名づけてみればマスクの効き目も倍増だ。文字の霊力、宿しましょ。マスク姿の松岡正剛、密な男となりにけり。よう似おうとるばい、ああ嬉しかね。…スカラカ、チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
邪気を祓う「密マスク」姿の松岡校長!
▼あーーア、【と】どめは九州語りで御座い。古代九州、海峡三座。過去の講演を巻末に。海の神話に歌語り、古代日本の原型は九州にあるとやないですか。歴史の綴りはhistory。それは誰かの物語。九州人を擬くとは体を張った再生です。鳥の目、虫の目、擬きの目。どんな目で読む歴史観。深く掘りましょ「郷読」で。アジアを見つめた彼らの胸中いかほどに、郷愁的原型求めて擬きましょ。…スカラカ、チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
▼あーーア、【対】比してみよ元本と。『愛の傾向と対策』は30代のタモリとセイゴオ。40年前の対談本、入手できない稀少本。本人越えとの評判も届くタモリは新組員・佐土原太志(師範代)は宮崎産。こんなにフィーチャーされるとは夢にも思ってなかろうもん。個性で勝負の九天編集。秘訣は内なる九州じゃ。…スカラカ、チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ…
並べても遜色なしと大評判の佐土原タモリ(左)
▼あーーア、【策】を漏らすな、知らせるな。鶴も戸を閉め恩返し。門外不出の秘め事たい。白川静はこげん解く。〈祖先の霊の安寧を求める儀礼を[密]という。その儀礼は秘儀として、ひそやか厳かになさるとよ。それが“ひそか、やすらか、こまかい”の意となり、心を供えて神祀る。それを[秘]といい、合わせて秘密という〉九天年賀は密の味、どんどん煮詰める蜜の味。お口に合えばこれ幸い。これが玄氣の秘訣で御座る。遊び心がクドキの文句じゃ。無調法なる木魚に合わせて。チョイト御機嫌伺いまする。密ーーのーー傾ーー向ーーとーー対ーー策ゥ。
ヘイ。ご退屈様
『ドグラ・マグラ』表紙絵の女に挑んだのはマリリンこと三苫麻里。異次元の擬きっぷりに九天の中でも話題騒然。じつは夢野久作は母校の先輩にあたる。リスペクトの意も込めての渾身の擬きだ。
中野由紀昌
編集的先達:石牟礼道子。侠気と九州愛あふれる九天玄氣組組長。組員の信頼は厚く、イシスで最も活気ある支所をつくった。個人事務所として黒ひょうたんがシンボルの「瓢箪座」を設立し、九州遊学を続ける。
12/20【DOMMUNE】聴け!! 孤高≒Maverickの響き
イシス編集学校1期生が旗揚げした出版レーベル「字像舎」(命名 松岡正剛)の新刊『いまこそ聴きたい孤高の響き~僕が出会ったアメリカ実験作曲家たち』藤枝守/著を題材にしたDOMMUNE、12月20日に配信します! &nbs […]
11/24に能勢伊勢雄、川崎隆章登場!!【字像舎刊行イベント】
『ユリイカ』特集・松岡正剛(2024年11月号)に寄稿した一人に能勢伊勢雄がいる。岡山で50年、ライブハウスPEPPERLANDを運営しながら、毎月欠かさず「岡山遊会」を続けているハイパー・エディターである。1978年 […]
ISIS FESTAスペシャル10/23(水)開催!藤枝 守×今福龍太『孤高〈マーヴェリック〉の響き』刊行記念対談
字像舎の新刊『いまこそ聴きたい孤高〈マーヴェリック〉の響き~僕が出会ったアメリカ実験作曲家たち』の刊行を記念して、10月23日にISIS FESTA イベントを開催します。 著者は、植物の電位変化データをメロディック […]
イシス編集学校に入門した2000年6月、EditCafeに届いた初めての投稿は「私が校長の松岡正剛です」でした。松岡正剛という人を知らずに入門したので「ふうん、この人が校長か」とさらっと受け止める程度でした。 初めて […]
セイゴオ大絶賛!九天玄氣マガジン『龍』デジタルブック 公開へ
「大義名分は年始挨拶だけど、実態は校長松岡正剛への恋文? それとも直訴状!?」とほくそ笑みながら企画から制作まですべての指揮をとるのは、九州支所「九天玄氣組」組長の中野由紀昌である。九天の年賀作品は、発足した2006年 […]
コメント
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。