『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

いま、<多読ジム>は夏まっさかりのseason03。現在進行中のお題「エディション読み」は、『千夜千冊エディション』(角川ソフィア)の1冊を100人ほどの全読衆で共読する。その今シーズンの課題本が真夏の8月にピッタリの『理科の教室』なのである。
読衆たちは、かつて少年少女の瞳にうつった理科の教室の風景や生きものたちの不思議な手触り、ロウソクやマッチの火を消した後に漂うあの独特の匂いなどなどそれぞれ懐かしい記憶をたぐり寄せながら、したたる汗に目もくれず、なつやすみ気分にひたっている。むろん夏バテ組もいるけれど、幼なごころを取り戻そうとするその気さえ起こせば、いつだって”毎日が夏休み”だ。
<多読ジム>のカリキュラムは、1か月目に「ブッククエスト」、2か月目は「エディション読み」、3か月目には「三冊筋プレス」が待っている。「三冊筋プレス」はまず、選本テーマにそって3冊のバーベル本を選ぶ。そして4週間かけて、それらの本の内容を要約したり、3冊のセイゴオ知文術を書いていく。
「season01・冬」の選本テーマは「数寄をつなげて広げて」、前季の「season02・春」は「チャレンジする」。この「チャレンジする」では、未知のジャンル、苦手な著者、過去に読もうとして挫折した「つまづき本」をはじめ、興味や好奇心にもとづいて、新たな読書にまさに挑戦した。season01同様、season02の三冊筋エッセイも「遊刊エディスト」で十作ほどピックアップして紹介する。
さらにseason02バージョンは三冊筋エッセイだけでなく、3冊セットで本の推薦文を書く「三冊屋レコメンド」もいくつかとりあげる。三冊屋のテーマは「コロナ時代のエディット・ライフ」。三冊屋も三冊筋も全カバーデザインは穂積晴明。タイトルのラインナップは以下のとおり、どうぞお楽しみに。
【三冊屋レコメンド】
◉時間を手放すための3冊(田中優子)
◉<生命>が時代の理念となるとき(中原洋子)
◉コロナの次代を切り拓くために(大塚宏)
◉「見る」という術(田中泰子)
◉落下するマダニ 転移する琵琶法師(高木洋子)
◉ウイルスまみれのわたしに(小倉加奈子)
【三冊筋プレス】
◉理不尽な共生論(小倉加奈子)
◉うたかたの歌語り継ぐ夢ピアノ(細田陽子)
◉アリストテレスの子供たち(戸田由香)
◉英雄物語が僕らを悪から救う?(米川青馬)
◉アバターを育む読書の旅(福澤美穂子)
◉記憶多様化・読書世界(寺田充宏)
◉万法すすみて時を手放す(田中優子)
◉スマホを置いて町にでてみよう(鈴木哲也)
◉負のエントロピーが生む想像力(小路千広)
◉偏愛、万歳!(小濱有紀子)
◉プルーストを読み通す方法(松井路代)
◉黄色い本 セイゴオ・Mという名の先生(金宗代)
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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2025-10-15
『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。
2025-10-14
ホオズキカメムシにとってのホオズキは美味しいジュースが吸える楽園であり、ホオズキにとってのホオズキカメムシは血を横取りする敵対者。生きものたちは自他の実体など与り知らず、意味の世界で共鳴し続けている。
2025-10-07
「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。