多読ジム「season 03 夏」の仮予約の受付が本格的にスタートした。イシス編集学校のメールマガジンISIS通信などで「仮予約・残席僅少・絶賛受付中!」(5月21日)という告知が配信されたのを目にした人も少なくないだろう。募集人数が毎季変動することもあって、”仮”・予約。そのため、申込のタイミングによっては希望のseasonをすぐに受講できるとはかぎらない(「season 02 春」はあっという間に満員御礼)。もしも間に合わなかったときは、仮予約状態が継続され、次シーズンに優先的に席がまわってくる。
現在、「season 02 春」は「<2>エディション読み」の終盤。百数人の読衆がウンウン唸りながら『千夜千冊エディション』に齧りついている。「season 01 冬」からの継続会員は今季は『デザイン知』、ニュー会員は『本から本へ』のラビリンスを遊読中だ。初めて会員になったシーズンのエディション読みは『本から本へ』を入門書とすることがいちおうルールになっている。
『エディション』なんて難しくて読めな〜い、なんて人も心配ご無用。[守]・[破]同様に、お題にしたがって読み進めさえすれば、個人差はあれど”読めた感じ”が掴めるようになっている。え? “読めた感じって? それは、入ってからのお楽しみ。簡単にいうと、「読む」と「書く」がいつもイッツイでブリッジングしていることが、「エディション読み」にかぎらず、<多読ジム>のカリキュラム全体に通底する特徴になっている。
「読む」と「書く」のソロイが読書体験を圧倒的に豊かにしてくれる。これはワンシーズン通過するだけでも実感できること。ひとりで読んでいると、どうしても「書く」がおろそかなりがちだ。スタジオには、心強いナビ役の「冊師」と、共読仲間の「読衆」がいるので、そんな”孤読”にさいなまれることもない。
それでも気が散ったり、気が揉んだり、読みが停滞するときは「書院」でひと息。大音美弥子冊匠が(「殺傷な仕打ち」ではなくて)「冊匠な企み」をしつらえて”本な相談”にありったけ応じてくれるだろう。ちなみに「エディション読み」のお題をつくったのも冊匠。『エディション』のじっさいの本の編集メンバーであり、東京声文会の棟梁でもあるがゆえに、エディションの”読み心地”を知り尽くしている。いずれ、エディストでも「読めば、美弥子」というタイトルで連載してくれる予定になっている、という噂である。
多読ジムとエディストは実はすこぶるインタラクティブ。多くの冊師や多読師範がエディストに投稿し、多読ジムの出来事がエディストで報じられている。最近の関連記事は以下の通り。
三冊筋プレスは<多読ジム>の3か月目のお題。season01・冬の三冊筋プレスの回答をもとに、読衆の小濱有紀子さん、福澤美穂子さん、米川青馬さん、三津田知子さん、中原洋子さん、渡會眞澄さんらが執筆。
◉HCU松岡塾長講義「『稽古と本番』を『平時と有事』によみかえる方法」
スタジオこんれんの上杉公志さんがJUST!
書院企画の「スタジオじまん」をスタジオこんれんの麻子冊師がエディスト。
こちらもスタジオこんれん・麻子冊師が「ブッククエスト」を軽快にLIST!
◉おしゃべり病理医 編集ノート - ユニークな小よく大を制す
おしゃべり病理医の小倉さんは多読師範。
◉「まったく別の人生を送りたい」という危険で魅力的な欲望について[芝居と読書と千の夜:4]
米川青馬さんも多読師範。
風韻連雀の福澤さんはスタジオ凹凸の読衆さん。
編集かあさんの”まつみち”こと松井路代さんはスタジオ茶々々の冊師、吉野陽子さんはスタジオ印冊師。
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さて、新型コロナウイルスの感染拡大はどうやら抑制されつつあるようだ。が、みなさんはステイホームのひびをいかがお過ごしだろうか。多読ジムの日常はアフター・コロナもビフォア・コロナもそう変わらない。365日毎朝届く「読相セイゴオ語録365」から始まって、好きに読書のフィットネスを味わい、分かち合う。読相セイゴオ語録365の典拠は千夜千冊やその他校長の著書などで、雑誌『遊』から引用されることもしばしば。たとえば、5月21日(木)、5月22日(金)はこんな内容だった。
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読相セイゴオ語録365◆2020年5月21日(木)
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ぼくが多くの読者に奨めている「マーキング読書法」も、このネー
ミング・スキルを強化するためのものにもなっている。ページにあ
らわれる気になる言葉をマーキングするだけなのだが、そのとき、
その言葉が自分のアタマの既知の領域と未知の領域をつないでくれ
るのだ。
――1477夜 メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ』
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読相セイゴオ語録365◆2020年5月22日(金)
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いまやリトリーヴァルが重視されないメディアほどつまらないもの
はない。最もすばらしいリトリーヴァルなメディアは書物であろう。
リトリーヴァルを前提にしたメディアとしての書物は、永遠に他の
追随を許さない。ただし、ボリュームが重すぎる。
一方、一番つまらないものになりつつあるのはテレビというものだ。
テレビは独りよがりで番組をつくるだけのメディアになってしまっ
た。ビデオテープもその次につまらない。なぜならこれらは時間軸
の情報体であるからだ。テレビはとくに独自の空間をもちえない。
――千夜千冊全集版『書物たちの記譜』所収「ぼくの読書術」p.77
1103夜 ナム・ジュン・パイク『バイ・バイ・キップリング』
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【 募集概要 】
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◎「season 03 夏」2020年7月13日(月)~2020年9月27日(日)
◆仮予約・受付中!
┗ 定員:100名(継続会員の方もいるので残席は数席です)
※定員になり次第、締め切らせていただきます
┗ 受講資格:[破]修了者
┗ 受講料 :月額11,000円(税込)
◆詳細はこちら:https://es.isis.ne.jp/gym
◆お問い合せは:isis_tadoku@eel.co.jp
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金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:Seigow・M. 最年少典離以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。インスタグラムにて近代史SFマンガ「GOZ」連載中🔥🔥https://www.instagram.com/goz_official/🔥🔥🔥🔥
【三冊筋プレス】そこで始まりそこで終わる根の国 (田中優子)
『星条旗の聞こえない部屋』で、ベンは「それ」が聞こえない場所を探し求めて「それ」がはためく部屋を出た。「それ」はアメリカであるが、そのアメリカの家の中には上海出身の継母と中国学者の父親と中国語で書かれたたくさんの本があ […]
「アンゴステノー! アンゴステンノー!」 わけもわからず、よく大声で叫んだものである。この謎めいた響きこそ、ぼくにとって、神輿をかつぐときの掛け声の定番だった。けれどもそれが「牛頭天王」(ごずてんのう)の名を指していた […]
【AIDA】EDISTicker 01 コケとすすきの室礼(しつらい)
◉Hyper-Editing Platform【AIDA】の会場である本楼には永田耕衣(0024夜)と飯田蛇笏の短歌の書(松岡正剛・筆)がひそやかにしつらえられていた。Season01のテーマである「文明」が耕衣の歌に、 […]
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