発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーひとりひとりが厳選した、見逃せない ”今月の推しキジ” を発表です!
今月は”Dust王”ことシーザー井ノ上師範がゲストで推しキジをPickしていただきました。(ぜんぜんDustじゃないんですよ、これが!むしろまじめです)
ではでは、遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」2022年3月号、お楽しみください。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代 & シーザー井ノ上師範
⦿「つんどく」は友達以上、恋人未満 ― 48[守]つんどく本棚
を推します。守の別院は、発言が全教室から見えるということもあって、期によって盛り上がり具合がけっこう違うのですよね。世話役の番匠は、毎期活性化に腐心することになるのですが、「積ん読本」を媒介にしてみんなを集めるというのは凄くうまいし、面白い企画だなと思いました。
といって終わると、記事を褒めたことにならないのですが(笑)積ん読本との縁が切れないエピソードもありそうで笑っちゃうし、何より末尾のリストを見ると、「自分もこれ積んでる」「ああ、この著者知ってる……」と苦笑が押し寄せるので楽しいです。けっこう貴重なリストではないでしょうか。いろいろなところで作ってみると、「この本・この著者いっつも出てくるな」というのができてきそうです。── 川野 貴志
それでは発表です!マツコが勝手に選ぶ 48[守]「積読大賞」は…
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48[守] 積読大賞
『芸と道』松岡正剛(一調二機三声教室:U)
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Uさんの勇気と正直に大賞を送ります~!おめでとうございます~!!!
2 マエストロ上杉’s 推しキジ!
─ 応援ファンファーレでPick!
⦿48[守]の稽古は苦い匂い?
⦿参加者求む!100人の編集力プロジェクト~エディターシップ・トライアル2022春
前者は白川雅敏さんによる038番「編集八段錦」をめぐる卒門ソングランキング、後者は若林牧子さんによる「『編集力チェック』のススメ」です。川野さんの推しキジを書かれた石井梨香さんを含め、48[守]の番匠トリオとしてロールを担われたみなさんです。
ときに守講座全体を見渡し、ときに卒門の節目を見守り、ときに未入門の方にまでまなざしを向ける。「かわるがわる」「代わりあう」といった意味をもつ「番」のロールにふさわしく、番匠3名がそれぞれのエディティングキャラクターをキラキラとさせながら振る舞う姿は、エディスト記事からも目に浮かぶようです。
新たな番匠3名体制の今後への期待も込めて。──上杉 公志
最新の千夜千冊エディションを前に逡巡する長男。「でも、読み始めるというのは孤立するってことなんだ」と口にする長男に対し、「読書することは孤立することだとは考えたことがなかった。」と心のうちを漏らす編集かあさん。1冊の本を前に、本との交際について子と親の見方が差し出されます。
編集かあさんのエディションシリーズは、読前が描かれることが多いですが、今回は読前のその前、言うなれば「読前前」。本とわたしとの距離について、ともすると感傷的になりそうなとてもやわらかい部分を軽やかな筆致で描かれています。軽やかさは読み手に余白を与えてくれるもので、読後に誰かとお話をしたくなる。対話を生んでくれる記事でした。──後藤 由加里
マツコ’s plus One!🐶
編集かあさんと長男くんが手作りしてくれたPlaylistとArchive記事♪ あわせてどうぞ~。
⦿簡単に腑に落ちちゃダメ!わかりにくさへ!【おしゃべり病理医61】
2022/2/22は特別な日でした。1222年以来800年ぶりに、2が6つ並ぶ「スーパー猫の日」であり、イシスが誇るおしゃべり病理医・小倉加奈子さんのコラムvol.61が公開された日でした。
この記事のテーマは「わかりやすさ」。情報を中毒気味に摂取している現代人にとって、「わかりやすい」は良いものだと疑うことはありません。しかしそれは、松岡校長によって「つまらない」と一蹴された。なぜなのか。この記事を読むと、学ぶというのは「わかった!」というカタルシスを得ることではなく、むしろ「わからない」に耐え続けることだと知らされます。
何かを学ぶときも学び切ることを目標とせず、学びの循環が起こるようにすれば、簡単にわかった気にはならない。
「ネットで調べりゃなんでもわかるのに、どうして勉強なんてするの?」
「資格取得のための学びと、イシスでの学びってどう違うの?」「ネガティブ・ケイパビリティって結局何?」 うまく説明できない人は、この記事必見。学ぶというのは、答えを仕入れることではなく、問いを立てることだとわかります。(あ、わかってしまった)──梅澤 奈央
⦿【AIDA】落語のくらしのアナキズム 松村圭一郎インタビュー全文掲載
松村圭一郎氏の仕事には注目をしていた。『暮しの手帖』をもじったような『くらしのアナキズム』というタイトルに、してやられた。軽く、そしてふてぶてしい。その人類学の所作は、わたしの注意を引き寄せた。恩師・掛谷誠氏の論文の引用も嬉しくもあった。
AIDAのインタビューでも社会と人間性へラジカルなまなざしを向けている。御託並べの賞賛と罵詈雑言が溢れるネット空間に辟易している向きには必読だ。糞な社会システムを超克するヒントがある。
インタビュアーの金宗代さんとは長い付き合いだが、スタイルを纏った編集の才気には羨望を覚えざるを得ない。本インタビューでも水際立った問答力に着目されたい。
──井ノ上 シーザー
遊刊エディストのリニューアルで始動した「ティッカー」。トップページ上部に横に走る電光掲示板。みなさんはその存在にはお気づきであろうか。編集部、守、破、花伝所の指導陣が今が旬の記事、募集したい告知、ちょっとした呟きがティッカーに流れる。その中でも今月編集長が注目した「俺のティッカー」をご紹介しよう。
天然を装い鋭いツッコミを入れる若林牧子番匠のティッカー。ティッカーが次のティッカーを予告するという禁じ手をいきなり繰り出し、ルールから新たなルールを創発させてみせた。遊刊エディストはイシスメディアの実験場なのだ。想定外のバグが新たなエディストの境界をメタモルフォーゼし続けている。── 吉村 堅樹
数々のティッカーを見逃してしまった方は、ぜひ吉村林頭のお眼鏡にかなったティッカーを、この月いち推しキジSelectionで確認されたし。
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2022年2月の記事から、エディスト編集部の”推しキジ” を厳選してお届けしました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!エディスト編集部メンバー&ゲスト選者たちが厳選した、注目の”推しキジ” をお届けしています。見逃した方はぜひこちらの記事でキャッチアップを。 今回は、2025年5月に公開さ […]
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。