ジャイアン駅伝――46[守]新師範代登板記 ♯10

2021/01/15(金)10:45
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 年が明けてから成人の日まで、世の喧噪を余所に、46[守]は番ボー祭り一色だった。
 守の全校アワード「番選ボードレール(番ボー)」は、いわば池に投げ込まれた大きな石だ(しかも次々放り込まれる)。稽古からしばらく遠ざかっていた学衆も、モチベーションを見失いかけていた学衆も、その音に池を覗いてみたくなる。これを「番ボーエフェクト」とジャイアンは名付けている。

 

 その番ボーである。
 あれやこれやあって、いろいろ書きたいのだけれど、いちばん嬉しかったことを記そうと思う。

 

 番ボー最終日。ひとりだけ番ボーお題のミメロギアに回答していない学衆がいた。声もしばらく響いていなかった。年末年始の忙しさの中で稽古しているのだ。無理もない。もちろんジャイアンはしつこいので、年が明けてから3度、声をかけた。だが、一向に反応がない。
 半ば諦めかけていた前日の深夜、その学衆に向けて、ひとりの学衆からメッセージが発せられた。
 そこには「できるなら一度きりのこのコースをみんなで駆け抜けられたらいいなぁ」とあった。考えを押しつけず、学衆の「地」に寄り添って、丁寧に言葉が綴られている。思いが詰まった「小さな手紙」だ。
 当日の朝、もうひとりの学衆がそれに続いた。お節介かもしれないと断りつつ、「元気な声を聴きたい」と呼びかけた。

 

 誰が何といおうと、わが角道ジャイアン教室の番ボー最大のクライマックスは、ここだ。
 深夜と早朝に教室に投げ込まれた小石。
 ジャイアンはたしかにその音を聞いた。
 多分このあと、その音を何度も思い出すだろう。

 

 前回の番ボー祭りを終えた後、ひとりの学衆から、こんな感想が寄せられた。
「個々の作品なのでマラソンかと思いきや、番ボーは駅伝ですね」
 たしかに何かを手渡し合っている。それぞれの作品に刺激を受け合っているのだから。そして自分が走っていない時は、仲間に声援を送る。

 

 第2回番ボー駅伝の結果をお伝えしようと思う。


 第一走者のマッハペンギンは、ペースを崩さずコンスタントに回答を重ねた。回答は7回。総作成数は200を超えた。

 第二走者の切り込み隊長のラリーは10回。教室の最長だ。小気味いい走りは、チームに風を吹き込んだ。

 第三走者の彩回答王のオジキは、自身をあしたのジョーになぞらえて、フラフラになるまで走るのをやめなかった。
 第四走者はフィルターの使い手。初日にセンスのいい回答を寄せたものの、仕事に忙殺されてしばらく音沙汰なし。だが最終日に猛烈な追い上げて作品を磨き上げた。
 第五走者は角道ーズの歌姫。回答は10回でトップタイ。後半の足の運びは、チームの中でも光っていた。
 第六走者はウルトラマラソン完走者。今回は最後の最後でひと磨きを加え、その根性を見せつけた。
 第七走者は跳びはねる女神。時差のハンデもものともせず、作品の中に自分の世界観をきっちり出してきた。
 第八走者は頼れる団長。第1回番ボーからの成長度は、チームでピカイチといっていいだろう。
 アンカーは、稽古の鬼。最後の最後に駆け込んで、回答を連打。エントリーもなんとか滑り込んだ。

 9人のタスキはつながり、ゴールへとなだれ込んだ。前回に引き続き、9人全員の番ボーエントリーだった。

 

 うねり胴鳴り九重山

 

 年末の第1回汁講をきっかけにして、角道ジャイアン教室に誕生したキャッチフレーズだ。学衆が考え、決めた惹句である。今回はこのキャッチフレーズを胸に、番ボー駅伝に臨んだ。
 9人が9人、自分の声を発し、それが九重に重なり、大きなうねりとなった。うねりはそれぞれの力となった。


 卒門まで一カ月ちょっと。うねり九重衆、まだまだうねる。

 

 

▲早咲きのサクラ・河津桜。さしずめ守学衆に とっての「サクラサク」は卒門だろうか。

 

ああ、それでもジャイアンは歌う――46[守]新師範代登板記 ♯1
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  • 角山祥道

    編集的先達:黒岩涙香。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り続け、感門では代表挨拶。師範代をしながら同時にエディストという前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系にする異端児。

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