ジャイアンの破語り――46[守]新師範代登板記 ♯11

2021/01/22(金)15:06
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 卒門条件の全番回答締め切りまで、ひと月を切った。
 遅れ気味の学衆もソワソワしてるだろうが、師範代もまた落ち着かない。全員卒門できるだろうか。皆、破に進むだろうか。
 進破は義務ではないが、破での体験あってこそのジャイアンなのである。学衆たちにも「この先」の景色をみてもらいたいと心から思う。

 

 ではどうするか。
 ジャイアンは教室に、変化球を投げ込んでみることにした。

 

 昨年末、学衆のひとりが、勧学会に「社長のプロトタイプ」の自主稽古スレッドを立ち上げた。自ら問いを考え出したそのことに、拍手を贈りたい。とはいえ自主稽古なので、仲間もそこまで手が回らない。かといって、師範代が回答するのもなあ。
 ジャイアンは閃いた。
 そうだ、ゲストに解いてもらおう。突然のゲスト訪問&回答の中身に、学衆は大いに驚くはずだ。その時、ゲストが破について語ったら? 今以上に興味が湧くのではないか。
 そこで、破経験者のイシスの仲間に、声をかけてみた。すると、4名から見事な回答&心に刺さる破語りが届いたのである。
 17日から4日連続で公開したが、学衆からは、「自主トレ会場に、突然原監督が来ちゃったような感覚です」と驚きの声があがっている。破語りだけでなく、突破者の回答を見せたことも、プラスに働いたようだ。
 この場を借りて、4名の仲間に感謝申し上げたい。

 

 さてここでジャイアンは考えた。
「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」である。46[守]もまた、「おれのもの」だ。ならばジャイアンさまの46[守]の学衆全員に、破の先達の「破語り」という宝物を届けるべきではないか。
 というわけで、ほんの少しだけお見せする。

 

「希望と不安に満ちたまま、未知に飛び込んで!」といざなうのは、乗峯奈菜絵さんだ(43破 転界ホログラム教室/33花伝所 むらさき道場)。
「破は、推敲の楽しさを味わえるところ。そして、自分を深く見つめる時間でもあると思います。指南で不足に気づき、再回答を重ねていく。読み解きの面白さ、言葉を紡ぎ出す苦しみと喜びに浸るうちに、いつしか、思考と編集術が馴染んでいきました。支えてくれたのは、守で学んだたくさんの型でした」
「守での学びが、この先どうなるのだろう?」という疑問が、乗峯さんを進破へと突き動かしたのだった。

 

「型を使って物語を書いてみたい」という一点突破で破に進んだのは、羽根田月香さんだ(43破 比叡おろし教室/33花伝所 わかくさ道場)。「遊刊エディスト」で「イシス人インタビュー☆イシスのイシツ」を連載しているライターでもある。
「(自主トレ回答を終えて)人間が生み出した創作物すべてにおいて、『物語』の要素が不可欠なことに思い至ります。[破]で校長がもっとも重視しているというのも『物語編集術』。じつは編集工学の根底にも壮大な命の物語がひそんでいるんですよね。ぜひ進破してお確かめください!」

 

 現在、大学で製品デザインを専攻している石橋黛子さん(43破 綾釣水鏡教室)は、大学2年生の時に守・破を駆け抜けた。
「同期の方々と一緒に編集に取り組みたかった」と進破を決めた。
 もちろん、破は楽しむだけでは済まない。
「ずっしりとしたお題を噛み砕くことも、毎回再回答を求められることにも慣れず、破と守の温度差を感じた時は、自信がなくなった時もありました。ですが、確実に学んでる感はありました。もっとやれることはあったのでは、と反省はたくさん出てきますが、全然後悔はしていません!」

 

 木田俊樹さん(43破 比叡おろし教室/33花伝所 やまぶき道場)は、「守がホテルなら、破はキャンプ」と看破する。
「ホテルでは、清潔なベッドに飛び込み、困ったらルームサービスを頼ればいい。キャンプでは、自分でテントを張り、自炊しなければいけない。守を終えただけでは、編集の冒険に出ていなかったことに、破に行って気づいた。アウトドアショップで装備を揃えただけだった」
 ではどうする?
「実地(破)で使ってみなくちゃ、面白くないでしょ」

 

 46[守]の学衆諸君。4人の先達の言葉、しかと届けたぞ。

 

 え? ジャイアンはどうして破に進んだのかって?
 よくぞ聞いてくれた。破入門時の「点呼の自己紹介」に、「[破]に進むことを決めたきっかけは?」という質問項目があった。書いた内容は失念しているが、きっとここに万人を唸らせる文言が綴ってあるに違いない。
 懐かしく思いながら読んでみた。そこにはひと言だけ記されていた。

 

「いきおい?」

 

▲「守と破でひとつ」を見える化してみた。裏返すと? 何があるか見当がついているが教えない。進破して確かめられたし。

 

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  • 角山祥道(ジャイアン)

    編集的先達:黒岩涙香。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り続け、感門では代表挨拶。師範代登板と同時にエディストで連載を始めた前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系にする異端児。

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