{[(ゴミムシぽいけどゴミムシではない分類群に属している)黒い星をもつテントウムシに似た種]のように見えるけど実はその偽物}ことニセクロホシテントウゴミムシダマシ。たくさんの虫且つ何者でもない虫です。
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郡山市は、福島のほぼ真ん中、福島県中通り中部に位置しています。経済・工業・流通・交通の要衝です。東北支所未知奥連の連長、鈴木康代[守]学匠は、この街で生まれ育ちました。

駅前の大通りを歩いていると、パイプオルガンのベンチがありました。音楽モチーフのイスやベンチは街中にいくつもあるそうです。郡山市は音楽都市、「楽都」の顔も持っています。明治期から戦前にかけて、郡山は工業都市として急速に発展し人口が増加。様々な人が集まったことで諍いも増え、まちが荒れてしまいました。一方で、戦争が終わって人々が自由に表現できる時代となり、美術・演劇・音楽などの団体が結成され、郡山でも音楽活動が盛んになり、戦災復興を目指す人々の心のよりどころとなっていきました。
参考:楽都郡山サイト

駅前大通りを左折して、なかまち夢通りに入ります。「山水道」とある水場を見つけました。郡山市の発展には、薩摩出身の大久保利通ら明治新政府によって開削された「安積疏水」が大きく関わっています。郡山には「~ばい」と九州っぽい語尾の方言があると康代学匠から聞いたことを思い出しました。

「東北の書店でもフェアを開催しよう」と、いち早く動いた康代学匠。5月末には店長さんを訪ね、その後も仕事帰りに立ち寄るなどして準備を進めてきました。また、康代学匠と同じく福島県在住の原田祥子師範代が後方支援を担いました。
当初7月を予定していた「知祭り」は、店長・関根亮平さんの粋な計らいにより、ちょっと前倒しで始まりました。今では福島県内唯一のデパート・うすい百貨店の9階にあるジュンク堂書店郡山店は、今年で12年目。全フロア約2400m²、約65万冊の品揃えを誇る福島県内最大の書店として存在します。話題の書籍から学術書、特に郷土史の品揃えは充実しており、新たな書籍と出会うため、遠方から訪れる方も多いと聞きます。

エレベーターを降りると、目の前にジュンク堂書店の看板がリコーダーの椅子とともに出迎えてくれます。楽都郡山の書店らしさある入口となっています。

検索してみると、レアな本のラインナップに驚きます。検索システムの充実はすなわち、1冊の勝手な本の移動が混乱を招くということ。フェアの実現も周到なご準備のおかげです。

まずは松岡校長の本を幅広い年齢層に知ってもらおうと、当初の予定された場所から急遽変更され、入り口すぐそば、売れ筋書籍の真横に棚が用意されました。検索システムが充実していることから店内配置書籍の移動が難しいため、文庫本コーナーにも松岡校長のポスターが貼られます。「地元紙の店長おすすめの記事やTwitter、近郊登録者に向けたメルマガで、新たな購買層に向けて積極的に配信して行きたい」と、関根さんの目が輝きます。

「角川文庫のコーナーにも揃えておきました」棚組の後に、お店の方が配置してくださいました。「知識・教養」のコーナーにおいても、一際目を引くエディションです。

校長の熱い眼差しが本棚に誘います。「読むか読まれるか」立ち止まってポスターを眺めるお客さんの姿がありました。

そんな関根店長のエディション・この1冊は「サブカルズ」。「ほかの本の題名は堅い言葉もあり、取っ付きにくい印象を持たれそうで」【サブカルチャー】という馴染みのことばを入り口に、お客様を本の世界へ誘いたい。420年続く「松明あかし」の如き「知祭り」は、須賀川から通う関根さんの、内に秘めた蒼い炎によって支えられています。

フェアのお手伝いに駆け付けたのは、郡山在住の五十嵐昌行さん([序]4、25[守]26[破]、45[守]学衆)とお隣の宮城県から菅野祥子師範代。2人とも、入門時に康代学匠と縁がありました(五十嵐さん→序むくげ4号で序師が康代学匠。菅野→34守入門時、師範が康代学匠)。「こうかな?」「いや、こうかも」「こっちのほうが目立つかな?」と、手を動かし続けるうちに、だんだんと棚ができていきました。

書店ではないものの、販売のお仕事をされている五十嵐さんが、本を前出しするための補材をラッピングペーパーで目隠し。色合いも自然で、見栄えがUPしました。さすがです。

五十嵐さんオススメのエディションは記念すべき20冊目『仏教の源流』「SARS-CoV2というカンフル剤を打たれた今の世。一滴の我身、その本質がどこにあるのか、仏教という大河を遡り、これまでを紐解きこれからを結ぶ智を見つけ出したい」

菅野は1冊目の『本から本へ』。「本好きとしては、これをオススメしないわけにはいかないかな、と。人づきあいのように本づきあいもしていきましょう」
おまけ

充実の大型店舗で本を探していると、まるで図書館にいるような気持ちになります。迷子になりそうな本探しでは、このフロアマップが大いに役立ってくれます。

本選びに疲れたら、本格的なコーヒーを味わいながらひと休み。豆の種類が選べるのはもちろんですが、炒り方からドリップの方法まで、いく通りもの組み合わせによってコーヒーの楽しみが広がります。

うすいデパート前のなかまち夢通りの途中には、安積国造(あさかくにつこ)神社参道があります。安積国造神社は、古来より郡山の総鎮守として尊崇され、江戸幕府儒官安積艮斎の誕生地でもあるそうです。

フェアの成功を祈願しました。

参道入口にある「民芸くらふと 和久屋」。未知奥連の第2回探読会で訪れたお店です。福島の民芸品や紙風船などの懐かしい玩具が並んでいます。

今年は丑年。東北では牛のことを「べこ」と言います。福島県会津地方の民芸品「赤べこ」は、疫病退散や無病息災の願いも込められているため、昨年末から需要が高まり、かつてない「赤べこ不足」が報道されましたが、ちゃんとお店で首をゆらゆらさせていました。めんこいですよ(めんこい=かわいい)。
「知の発信源」ジュンク堂書店郡山店。このフェアによって地域にどんどん創発を起こしていってほしいと期待しています。ジュンク堂書店郡山店でのフェアは8/31までです。
文:菅野祥子
写真:菅野祥子・原田祥子
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コメント
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