「このエディションフェアがすごい!」シリーズ、第35弾は山梨県の朗月堂書店。山梨県のエディションフェア全店舗を取材するイシス編集学校師範代の内田文子さんです。フェア開催は8月末まで。
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朗月堂は明治35年(1902年)創業。昭和初期に甲府市中心街に200余坪の大きな店舗を構え、県下一円の卸問屋を経営していたが、昭和54年(1979年)に甲府市貢川に初の郊外型店舗である貢川店をオープン。現在は、この貢川店を本店と定め、営業を続けている。
住宅街と商店、企業が入り混じり、人口の多い地域に建つ朗月堂だが、昭和54年の開店当初、まわりは田んぼだらけだったそう
創業の頃からの朗月堂の歴史を語る写真
「当店は朗月堂ではじめての郊外店で、開店当初から集客力のあるお店でした。やはり車で寄りやすかったのでしょうか。」と、今回フェアをご担当くださった駒井さんは語る。
今回のフェアをきっかけに読み始めたら面白くて、と『日本問答』を手にされた駒井さん
駒井さんが中学生のころにオープンしたこのお店。拡張と収束を重ね、今のかたちになったのは2016年のこと。児童書からコミック、一般書まで幅広く取り揃えているが、とくに力を入れているのは参考書。たいていのものは手に入るという。
子どもの読み聞かせ会を定期的に行っていたが、いまは中止しているとのこと。再開が待ちどおしい
エディションフェアを展開するのはC館の入り口。天井から吊り下げられたPOPが目印だ。
エディションフェアは文芸中心のC館で展開
天井から吊り下げられたセイゴウPOPが睨みを効かせる
エディション本はもともと1冊ずつ揃えていたが、文庫コーナーに並んでいるだけでちょっと難しそうに感じられていたそうだ。今回のフェアで広範囲にわたる関連本を知り、ぐっと親しみが増したという。エディションの中にも、文芸担当ならいつか読まなきゃと思う本が数多く紹介されていたのだそう。「松岡正剛というジャンルなんですよね」と駒井さんは唸る。
フェア効果でエディションは順調に動いている。関連本はもともと取り扱っていたとのお話
朗月堂は読書好きのお客様が多く、ほかのお店に比べて新刊を求める傾向が強いのだそう。文庫化を待たずに新しい本を探すお客様に応えたいと日々新刊の目利きに勤しむ中、フェアになると偏ってしまい、なかなか「一歩出られない」のだという。
取材をさせていただく間にも多くのお客様がお見えになり、広い店内のあちこちでじっくりと本を選んでおられた。たくさん本を買って読むことを続けてこられたお客様と千夜千冊エディションが出会ったらどんな化学反応が起こるだろうか。
文・写真:内田文子
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エディスト編集部
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