【このエディションフェアがすごい!45】ジュンク堂書店 台湾明曜店

2022/01/07(金)07:02
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 千夜千冊エディションフェアの大トリは台湾のジュンク堂書店 台湾明曜店です。1月末まで開催中。なんと巨大オーロラビジョンで千夜千冊エディションフェアCMまで放映中です。仕掛け人である35[花]放伝生・小沢奈津代さんからのレポートでフェアの様子をご覧ください。

 

◇◇◇

 

ジュンク堂書店 台湾明曜店は若者が多く集まる、日本の渋谷の様な街、東区の中心地、忠孝敦化駅3番出口を出て、目の前にある明曜百貨の9階にあります。

忠孝敦化駅3番出口

 

明曜百貨のテナントはほとんどが日系企業。書店と同フロアにはダイソーや、階下にニトリあり、今年の10月に百貨店の三分の一を占めるユニクロが改装完了し、連日日本好きの台湾人で大賑わい。特に30~40代の小さなお子様を連れたファミリー層のお客様をたくさん見かけます。

 

そんなジュンク堂書店 台湾明曜店はまるで日本のジュンク堂書店にいるかの様な日本書籍の品揃え。レジからは「ありがとうございました」と流暢な日本語が聞こえてくるが、働いているスタッフは店長以外全て台湾人。台湾人スタッフが日本の出版社との発注を日本語で対応することもあるため、出版元の方も驚かれるそうです。

店長の鈴木健司さんも、こんなに日本語対応ができるスタッフが揃った海外の書店はうちぐらいなものじゃないかと誇らしげでした。

書店内の様子

 

日本のジュンク堂にいるかのような品揃え


日本語で書かれたPOPもあります

 

台湾での千夜千冊エディションフェアは、日本との連携が凄かった!大阪のMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店で使用した字紋パネルを台湾でも使用し、日本語のできるスタッフがエディションの中の一文を中国語に翻訳し中国語版の字紋パネルと日本語版のパネルを作成。

エディションフェアコーナー

 

台湾用にポスターのキャッチも編集

 

中国語版のエディションPOPが並ぶ

 

大阪でも大活躍した字紋パネルも台湾に上陸

 

そして鈴木店長もブックフェアでここまでやるのは初めてです。と驚いていたのが、林朝恵師範が製作した日本各地でのエディションフェアの様子を編集した30秒の広告動画。こちらが明曜百貨のオーロラビジョンに流れ、日本各地を巡ったエディションフェアが台湾上陸したことを伝えます。

 

街頭に流れるオーロラビジョン!

 

街中ではこんな風に広告動画が流れています。

 

林朝恵師範作成の動画はこちら!

 

千夜千冊エディションブックフェアに準備期間から常に期待と希望を寄せて伴走してくださった鈴木店長に「オススメのエディションを一冊」とお伺いしたところ「一冊は流石に絞れないです」と台湾人のお客様にお勧めしたい三冊を選んでくださいました。

日本文化好きの台湾人に向けての『サブカルズ』、日本の歴史好きな年配から若者に向けた『面影日本』、日本語を勉強中の台湾人の方々へ送りたい『ことば漬』の三冊だそうです。

鈴木健司店長のオススメ3冊

 

台湾のブックフェアは11月1日から始まって1月31日までの3ヶ月間。残り1ヶ月、エディションフェアの書籍たちが、どんな風に台湾の読者たちと交流を図っていくのかが楽しみです。

 

文・写真:小沢奈津代

 

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【このエディションフェアがすごい!45】ジュンク堂書店 台湾明曜店

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【このエディションフェアがすごい!42】ジュンク堂書店 名古屋栄店

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【このエディションフェアがすごい!40】カモシカ書店(大分市)

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【このエディションフェアがすごい!37】知遊堂上越国府店(新潟県上越市)

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【このエディションフェアがすごい!35】朗月堂書店(山梨県甲府市)

【このエディションフェアがすごい!34】ジュンク堂書店柏モディ店(千葉県柏市)

【このエディションフェアがすごい!番外編】ジュンク堂書店難波店(大阪市)

【このエディションフェアがすごい!33】丸善 日本橋店

【このエディションフェアがすごい!32】柳正堂書店 オギノバリオ店、甲府昭和イトーヨーカドー店(山梨県)

【このエディションフェアがすごい!31】田村書店千里中央店(大阪府豊中市)

【このエディションフェアがすごい!30】紀伊國屋書店新宿本店

【このエディションフェアがすごい!29】ジュンク堂書店郡山店

【このエディションフェアがすごい!28】ジュンク堂書店三宮店(神戸市)②

【このエディションフェアがすごい!27】丸善仙台アエル店

【このエディションフェアがすごい!26】敷島書房(山梨県甲斐市)

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【このエディションフェアがすごい!23】丸善京都本店②

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【このエディションフェアがすごい!20】丸善広島店

【このエディションフェアがすごい!19】丸善津田沼店(千葉県習志野市)

【このエディションフェアがすごい!18】ジュンク堂書店三宮店(神戸市)

【このエディションフェアがすごい!17】ジュンク堂書店大分店

【このエディションフェアがすごい!16】ジュンク堂書店難波店(大阪市)

【このエディションフェアがすごい!15】ジュンク堂書店三宮駅前店(神戸市)

【このエディションフェアがすごい!14】長崎次郎書店(熊本市)

【このエディションフェアがすごい!13】スワロー亭(長野県小布施町)

【このエディションフェアがすごい!12】丸善京都本店

【このエディションフェアがすごい!11】丸善名古屋本店

【このエディションフェアがすごい!10】ジュンク堂書店名古屋店

【このエディションフェアがすごい!09】ジュンク堂書店鹿児島店

【このエディションフェアがすごい!08】丸善松本店

【このエディションフェアがすごい!07】ブックセンタークエスト小倉本店

【このエディションフェアがすごい!06】丸善博多店

【このエディションフェアがすごい!05】りーぶる金海堂クロスモール店(宮崎市)

【このエディションフェアがすごい!04】喜久屋書店小倉店

【このエディションフェアがすごい!03】ジュンク堂書店池袋本店

【このエディションフェアがすごい!02】ジュンク堂書店福岡店

【このエディションフェアがすごい!01】ブックファースト新宿店

 

これまでの開催店舗一覧はこちらへ▼

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    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025